2012年12月30日日曜日

ウイルス性胃腸炎大流行


年の瀬となりました。
クリスマス寒波が、押し寄せ、一気に寒さが加速して、
今年の年末年始は、寒さも厳しそうです。

ただいま、ウイルス性胃腸炎大流行。
いわゆる嘔吐下痢症といわれる、冬の風邪です。
巷をにぎわしている、ロタウイルス(乳幼児に多く、下痢便が白くなる)
ノロウイルス(大人も子ども幅広く感染。今年大流行中)、
アデノウイルス(乳幼児に多く、比較的軽症なことが多い)などがあります。
ウイルスの潜伏期間は1~3日で、
まず突然の嘔吐で発症し、同時か少し送れて下痢症状が始まります。
また、発熱や、腹痛を伴うこともあり、ウイルス性のものは、咳や鼻水も出る場合があります。

細菌性の場合は、抗生物質を投与しますが、ウイルス性のものは抗生物質は効きません。
下痢も嘔吐も、身体の中に侵入したウイルスを外に排泄しようとする防衛反応ですから、
むやみにとめてしまうと、かえってこじらせます。

下痢や嘔吐とともに、水分が喪失されてしまう上に、発熱による皮膚からの蒸発の増加もあり、
吐き気で水も飲むことができないと、脱水になってしまいます。
下痢や嘔吐の場合の脱水は、ただ単に水分が不足するだけでなく、
身体の中の電解質(ナトリウム、カリウムなど)も一緒に喪失されてしまうので、
湯ざましの食塩水(コップ一杯の水に塩ひとつまみ)か、イオン水(スポーツ飲料やOS1など)で、
これらを補給しましょう。

OS1は、薬局などでも買えますが、うちで簡単に作ることも出来ます。
湯ざまし1リットルに、砂糖40g(大4.5)、塩3g(小さじ半分)入れて混ぜればOKです。
ぜひ、お試しください。
ここで大切なのは、冷蔵庫で冷やしたものではなく、常温以上のもので。
できれば、体温以上の温かくしたものをの飲むことをお勧めします。

ただし、一度にたくさん飲むと吐き気を促してしまうので、少量をこまめに取りましょう。
かんきつ類のジュースや、炭酸水、お茶は、刺激が強すぎ、乳製品は消化が悪いため、
吐き気を助長して胃腸に負担をかけてしまうので避けたほうがいいです。
脱水症状の兆候は、肌がかさかさして、色がくすんでいる。
唇が乾燥するのに、飲みたいと思わない。
ぐったりとしている。おしっこがでない。手足が冷たく、眠い・・・などです。
水分も飲めず、これらの症状が続くようなら、早めに医療機関に受診しましょう。

そうでなければ、ウイルス性の疾患は、3~4日くらいで症状は自然に寛解します。
おなかを温め、充分に水分を取り、家で安静にしていれば心配ありません。

症状が軽くなっても、胃腸の負担や、身体の消耗はかなり大きいです。
無理をせず元気になっても2日くらいは安静にしていましょう。

しばらくは水分だけしっかりとって、食欲が出てきたら、消化のいいものを少しずつ食べましょう。
リンゴ、トマト、バナナは、カリウムが豊富で、電解質の補給にもおススメです。
とくにリンゴは、お腹の具合も整えるので、
小さい子や、お年寄りにはすりおろしりんごなどがいいでしょう。

また、患者さんが排泄した汚物を処理する場合は、ビニール手袋などで処理した後、
消毒液で拭いて、処理したものはすべてビニールなどに入れて処分しましょう。トイレはふたをして流すとウィルスの飛散を防ぎます。消毒液は、500mlのペットボトルに水に、塩素系ハイターをキャップ4分の1を入れて、よく振ってから使うといいでしょう。

今年も、このブログに来てくださいましてありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。

では、忙しい年の瀬ですが、無理をせず、楽しい年末年始をお過ごしください。
来年も健やかな1年でいられますように。



2012年12月21日金曜日

今日は冬至です。

今日は冬至。
暦の上では真冬となります。
東洋医学では、季節を4つに分け、その季節をまた4つに分けて、
暦を24に分割して季節の移り変わりをあらわしますが、
冬至は冬を4分割したうちの真ん中にあたります。つまり、真冬。

冬至のこの時期は、北半球では太陽が一年中で一番低くなり、
昼が一番短く、夜が一番長くなります。

東洋医学で言えば、陰(マイナス)のエネルギーが一番多くなる日です。
この日に、かぼちゃを食べてゆず湯に入ると、
風邪を引かない、長生きする、一生お金に困らない、厄除けになるといわれています。

別にこの時期のかぼちゃに風邪を予防する成分が多く含まれるわけではありませんが、
昔はこの時期にビタミンやミネラルを多く含む野菜が少なかったため、
保存が利いて、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含むかぼちゃが重宝されたためです。

とはいえ、かぼちゃにはカロチン、ビタミンEが多く含まれていて、
皮膚や体内の粘膜を強化し、動脈硬化の予防や、視力、骨や歯にも効果があり、
免疫力が高まり、便秘解消にも有効ですから、
げんかつぎ抜きにしても、この時期お勧めの食べ物です。
また、がんの予防もすると報告もありますし、種は、貧血や低血圧にもいいです。

ゆずについては、前回説明したとおりですが、
実は、冬至には「ん」のつく食べ物を食べるといいといわれています。

前にも説明したとおり、冬至は陰のエネルギーが一番多い日で、
これ以降は、だんだん陽のエネルギーが増えていきます。
そのため「一陽来復」といって、悪いことばかり続いたとしても、
ここから幸運に向かうという日とされています。

ですから、冬至に「運」(「ん」)のつく食べ物を食べると、運がついて幸運になるそうです。
「なんきん(かぼちゃ)」「にんじん」「れんこん」「ぎんなん」「きんかん」「かんてん」「うんどん(うどん)」
など、「ん」が2つつく食べ物が特にいいとされます。
某CMでは、「モンブラン」なんていうのも出ておりましたが(笑)、それはどうでしょうね?

きょうはこの1年のリセットの日でもあります。
運をたくさんつけて、来年はいい年にしましょう。




2012年12月14日金曜日

疲れたら空を見上げて

こんにちは。
今年もあと2週間余りとなりました。
ここ何年か、年の瀬に限らずバタバタとしていて、
師走の忙しさを感じないまま新年を迎えているような気がします。

今年もこの年末にバタバタと選挙などもあり、
別の意味で騒がしくなっています。
考えてみたら、中国も、アメリカも、韓国も、そして日本もみんな国の指導者が変わるんですよね。
日本に限らず、世界中がなんだかバタバタして、新年を祝う気分でないみたい。

忙しいという字は、「心を亡くす。」と書きます。
あれやこれやと忙しさに追われて、季節や生活を感じることができないなんて、
なんだか幸せじゃないような気がします。

これからクリスマスや大晦日にお正月。
日本では盛りだくさんの行事が目白押し。
忙しさで目が回りそうになったら、ちょっと立ち止まって空でも見上げてみましょう。

冬の空は、1年で一番空気が澄んで、青空も星空もとてもきれいです。
上を見上げると、胸が広がって深い呼吸ができます。
寒いから、忙しいからといって縮こまって下ばかりを向いていないで、
思いっきり澄んだ空気を吸い込んで、身体中で滞ってしまったものを息と一緒に吐き出しましょう。
胸を広げて肩甲骨を動かすと、横隔膜や肋骨が広がって、肺が伸びやかに呼吸できます。
そうしたら忙しくて煮詰まった頭も、巡り始めますよ。


昨日は折りしもふたご座流星群のピークでした。
澄んだ夜空に、星が流れる様子がはっきりと見られました。
今夜も、若干遅い時間(午前2時ごろ)ではありますが、見られるようです。


でも、冬の空気は冷たくて、乾燥しています。
ウイルスは、このような冷たくて乾燥した場所を好むので、
インフルエンザなどのウイルス性の風邪が流行ります。

そして呼吸器は、滋潤を好み乾燥を嫌いますから、この時期は一番苦手な季節。
しかも、汗をかかなくても、身体はこの乾燥した空気に随時水分が奪われています。
風から身を守るためには、身体の乾燥を防ぐことが一番の予防です。

ですから、「お水のチョコチョコ飲み」をお勧めします。
夏は汗を掻くことによって、ミネラル分も流れてしまいますから、
アルカリイオン飲料や少し塩を足した水などを飲みますが、
冬は皮膚や呼吸から、純粋に水分だけが取られてしまいますので、
お茶やイオン水などでなく、生水がいいです。
もし、冷たければ、白湯がいいでしょう。

そして、夏のようにごくごくと飲まず、少しずつ、口に含んでゆっくりと飲みましょう。
水分がじんわりと身体に浸透して、潤ってきて、呼吸が楽になってきますよ。



2012年12月7日金曜日

冬のお勧め、豆乳鍋

ただいま北日本を、爆弾低気圧が通過中。
ものすごい風と、寒気が襲って、通過中の場所はもちろん、
その影響で、日本中が冷え込んでいます。

皆様、どうか身体冷やさないように気をつけてくださいね。

さて、冬といえば鍋。
こんなに深々と冷える日は、みんなでひとつの鍋をつついてホカホカとしたいですね。
今日のお勧めの食材は豆乳です。

大豆から消化しにくい繊維質を取り除いて(おから)、
大豆に含まれるたんぱく質や脂肪組織を十分に壊してあるので、
とても消化吸収のよい良質な栄養が取れる食材です。
ですから、老若男女問わず、病人や虚弱体質の人にも適しています。

たんぱく質は、皮膚、内臓、筋肉、骨、血などの細胞や組織を作るのはもちろん、
ホルモンなどの材料にもなる大切な栄養素です。

また、大豆の脂質は、不飽和脂肪酸が80%以上占め、
そのうち必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸の比率が高いのが特徴です。
そのため、コレステロールが少ない上に、
血管に付着するコレステロールを除去する善玉コレステロールを増やし、
更に血流を良くする作用があるので、
高血圧や動脈硬化(コレステロールが原因による)と、それに伴う疾患の予防に効果があります。

そのほか、記憶力を高め、脳の老化やボケ予防、
女性ホルモンの減少によって起こる諸症状にも効果も高く、
たんぱく質だけでなく、豊富なビタミンやミネラルにより、
美肌効果や、貧血予防にも効果があります。(鉄分は牛乳の10倍も入っているんです。)

東洋医学的には、体力消耗を改善し、体に溜まった熱を冷まし、
水分代謝をスムーズにしてくれます。冬は腎という機能が活発に作用し、
次の活動時期のためのエネルギーを貯めます。
この腎の機能を助けて元気を養う豆乳は、
一年の疲れが溜まった身体を養うのにとてもいい食材だといえましょう。

ただ、豆乳は食材の性質上、身体を冷やす作用があるので、
今の時期は、そのまま飲むより、熱を入れて温めて食べた方がいいと思います。
そんなわけで、豆乳鍋をお勧めします。

食べやすいのは、だしと豆乳を1:1か3:2くらいの割合で割ります。
簡単なのはだし醤油(色を良くするには白だし醤油)をお湯で割るといいです。
それに食材を入れて煮れば出来上がり。やさしいお味の鍋になります。

鍋に入れる具は、何でも合いますが、
身体を温める根菜類に、疲れてヘロヘロな時は気血を補う豚肉を、
お腹の調子がいまいちのときは鶏肉、身体が冷えがつらいときはにらやねぎを、
そしてストレスで気分がイライラしているときは白菜などを入れると、更に効果的ですよ。
寒い夜、そんな風に少し鍋の中身も考えて食べてみると楽しいですね。



2012年11月30日金曜日

風邪から身体を守ろう。

めっきり寒くなりました。
朝晩は本当に身体の心が冷えそうです。
そろそろインフルエンザの声も聞き、巷では、さまざまな風邪が流行り始めています。
のど痛、咳風邪や、お腹の風邪。ここのところ、ノロウイルスの流行も耳にします。

でも、冬だから・・・というわけではなく、
どんなウイルスや細菌も、私たちの周りをいつでも飛び交っています。
身体が冷えたりすると、免疫力が低下するので、
いつもなら感染しない菌にも容易に感染しやすくなります。
菌やウイルスは、感染した人を介して増殖、活性化して強くなりますから、
感染力も強くなって、流行していくのです。

このような流感から身を守るために一番大切なことは、身体を冷やさないことです。
体温が1℃低くなると、免疫力が30%低下するといわれるほどです。

この時期は、胸元や手首足首を露出することを避け、寝るときもタオルなどを首に巻いて寝ることをお勧めします。
足先が冷えて眠れないという人は、足元に湯たんぽを入れて温めてあげると、
眠気も誘って、ゆっくりと眠ることができます。

身体を効率よく温めるのは、温かい食べ物を食べて、身体の内側から温めることです。
単に冷たいものを食べないだけではなく、身体を冷やしやすい果物は、夜は避けましょう。
また、寝る前にはホットミルクがよいといわれています。
ミルクは確かに鎮静作用はあるのですが、牛乳の脂肪細胞はとても大きいので、
夜寝るときに飲むと胃に負担をかけます。
消化能力の弱い小さい子や、お年寄りには特にお勧めしません。飲むなら少量で。

身体を温める作用のある食べ物は根菜類です。
温かい汁物で摂るのがおすすめです。

夜更かしはもちろん、冷たいマイナスのエネルギーを身体に取り込んで
身体を冷やしてしまうので、なるだけさけたいものですが、
それでも、長い冬の夜をゆったりほっこり過ごすために、お勧めなのは、ゆず茶です。

ゆずは冬至でゆず湯に入るように、あの香りの素となるリモネン、ノミニン、シトラールなどの成分は、血液循環促進、のどの炎症と咳の緩和、毛細血管を刺激して血行を良くするので、
身体がよく温まります。また免疫力を高める作用もあるので、風邪の予防にも最適です。

とくに、この成分は皮の部分に多く含まれているので、
皮ごと食べるゆず茶はとてもいい効果があるといえそうです。

また、カモミールやミントも鎮静作用があり、ストレスで疲れた神経をやさしく鎮めてくれます。
また、健胃作用もあるので、夜寝る前の飲み物として最適です。



2012年11月17日土曜日

眠れない夜には

日がずいぶん短くなりました。
つい最近まではまだ明るかったのに、5時を回るころにはすっかり暗くなって、
夜の長い季節になりました。

秋から冬は夜がながくて、マイナスのエネルギーの支配する季節です。
リスや熊は、冬眠して次に来る春の季節のためにエネルギーを蓄えます。
冬という季節は、活動を抑え各器官を休ませて、傷ついたところを修復して、
春や夏に活動して疲れた身体をメンテナンスする時期です。
ですから、なるべく睡眠をとって、身体を休める必要があります。

しかし現代社会は、明りの発達とともに、夜の活動時間を広め、
深夜まで活動しています。

血液は、生体エネルギーとともに、体中を巡り、身体を動かしていますが、
夜は肝臓にもどり、エネルギーを養います。

夜活動を盛んにすると、血液は肝臓にもどることができず、栄養されず虚弱していきます。
すると、血液が巡っても各器官に栄養が行き渡らず、不調を招きます。
ですから、夜の睡眠はとても重要なのですが、寝たくても眠れないときがあります。

不眠には、ねつきがわるい場合(入眠障害)と、
すぐ目が覚めてしまったり、夢見ガ多くて熟睡できない(熟睡困難)があります。


血液は、精神活動と深い係わり合いがあり、
それを統括する心(心臓)と肝によって、精神のバランスをとります。
東洋医学では、この不眠は、この心と肝の活動のバランスの崩れによって
起きると考えられています。
ですから、ストレスによってイライラしたりすると、不眠になりやすいのです。

また、肝は目と深い係わり合いがあり、心は頭(脳)と深い係わり合いがあります。
今の人たちは、テレビやパソコンなどで目を酷使して、頭(脳)をフル回転させていると、
血液は頭に集中してしまうので、興奮して眠れません。

血液量は一定ですから、頭に血液が集中してしまうと、
消化活動に多くの血液を必要とするお腹や、
血液が行き渡りにくい足先のほうに血液が足りなくなり、
冷えのぼせの状態になってしまいます。

このような症状の場合は、頭の上った血液を下に下ろせばいいのです。
お腹や足をホッカイロや湯たんぽなどで温めたり、マッサージなどで刺激すると、
血液は下に降りて、興奮した頭を沈静させて,眠りを誘います。
足の親指と人差し指の間のV字の交点にある大衝、
足の裏の、つま先の下にある一番凹んだ場所にある湧泉というツボ、
そしてかかと真ん中の失眠というツボがお勧めです。

また、肩甲骨周りを温めたり、軽い刺激(なでるなど)を加えると、呼吸が深くなり、
筋肉が緩み血流を促すので、リラックスすることができます。

また不安感が強かったり、緊張が続いてドキドキするときは、
手首の内側から指2本分下の中央にある内関というツボや、
ひじの内側にある少海というツボ(どちらもそのような症状があるときは、押すと痛いです。)
を、マッサージするといいです。






2012年11月9日金曜日

ぞくっときたら

11月にはいって、すっかり冷えてきました。
昼間の日差しは温かくても、もうすぐ木枯らしが吹きそうな冷たい風が吹いています。
朝晩もずいぶん冷えて、温かいものが恋しくなりました。

つい最近までの温かさに、まだ薄着でいたい気分もありますが、
少し無理して薄着をすると、背筋がぞくりとしたりしませんか?

そんなときは、首筋にある「大椎(だいつい)」を温めてみてください。
「大椎」というツボは、首を前に曲げると首の後ろに出っ張る骨の真下のくぼみにあるツボで、
風が吹いたり寒いと、その冷えや風邪が身体の中に入り込みやすい場所です。

また、このツボは、身体を巡る「陽気」という、プラスのエネルギーが巡る道が交わるところで、
その陽気が集まってくる場所です。

身体を巡る生体エネルギーには,身体の浅い場所を巡るプラスのエネルギーと、
深い場所を巡るマイナスのエネルギーがあります。
二種類のエネルギーは、互いに巡る道筋が,体中に張り巡らされていて、
体中をまんべんなく養っています。

風邪は、外部から身体の浅い部分に侵入して、そこを巡るエネルギーの流れを乱します。
すると、身体は発熱したり、鼻水を流してその侵入物(外邪)を追い出そうとします。

そのときに、この陽気の集まる「大椎」を温めてあげると、
陽気の流れを調節すると同時に、毛穴を開いて汗を出します。

汗は、身体に入り込んだ冷えや風などの侵入物を排出するとともに、
防衛反応により体内にこもった熱も発散させるので、
風邪の引き始めの症状を和らげ、体調を改善することができるのです。

ドライヤーを当てたり、ホットタオルを当てたりして温めて、
汗が出たり、肌がしっとりすればOK。
でも、そのあとはかならず襟元をしめて、外気に肌を触れないようにするのを忘れずに。

発汗により毛穴が開いていますから、無防備に肌を外気に晒すと、
もう一度、風や冷えの侵入を許してしまいます。

2012年11月5日月曜日

冬に備えて気をつけること。

11月になりました。
まだイチョウのはも緑のままだけど、季節は秋から冬になろうとしています。
今年の立冬は11月7日。
気分は秋のままでも、そろそろ冬支度が必要です。

秋から冬の準備を始めて、活動期から休息期に変化した身体は、
自然界では、草木は枯れて根を張り、動物たちは冬眠をするように、
人もまた、冬の寒さに耐え、次の春に元気に活動するため、
身体の機能を最低限に下げ、その分エネルギーを蓄えたり、
疲れた場所のメンテナンスを行います。

その一方で寒くて乾燥するこの時期、追い討ちをかけるように寒気が身体を冷やすため、
身体の循環が更に低下して、冷え,こわばり,痛みなどをを引き起こし、
免疫力も低下しやすいので、風邪を引きやすくなります。

ことに、肺は冷えと乾燥を忌み嫌うので、,直接肌に風や冷気を受けてしまうと、
風邪の侵入を許し、咳や痰、のどの痛みを引き起こしますから、
首、手首、足首、はしっかりと締めることが大切です。

また、汗はかきませんが、空気の乾燥により、身体の水分は失われがちですから、
こまめに水分を補給しましょう。

粘膜や肌の乾燥により、やはり外邪(風邪や寒気など)が、身体の中に侵入しやすくなります。
保湿は大切ですが、乾燥した肌に直接保湿クリームを塗っても逆効果です。

保湿クリームは、皮膚の水分を逃がさないようにするためのもので、
肌を潤す効果はありません。
ですから、乾燥して水分がないかさかさの皮膚に塗っても、かさかさは変わらず、
かえって毛穴に油分を詰まらせたりして、かゆみや炎症を起こすことがあります。
ですから、保湿クリームを塗る前に化粧水を塗ったり、お風呂上りに塗るなど、
肌を潤わせてから塗りましょう。
そうすることで、肌を守るだけでなく、肌を養うことで外邪の侵入も防ぐことができます。




2012年10月27日土曜日

姿勢と呼吸のこと

涼しくなってとても気持ちのいい日が続いています。
だけど、すごしやすいのに体調が優れない。
そんな人、多くないですか?

風邪を引いて、それがなかなか抜けない。
アレルギー症状が出る。
なんとなく、息が浅い。
お腹の調子ガよくない・・・など。
治療院のほうにも、連日そんな患者さんが多く訪れています。

私たちの身体と、季節はとても密接な関係を持っていますが、
秋は、前にもお話したように、エネルギーを発散させる動の状態から、
エネルギーを貯めて冬の寒さに耐え、
次のシーズンの準備をする静の状態に変わる変換期です。
身体は外の自然界と順応していくので、外側から順々に変化していきます。
そのことからも、秋は肺が反応しやすい時期でもあります。

肺は外気と空気を交換して、それを素に生体エネルギーを作り身体中にめぐらせます。
人間は呼吸できないと生きていけません。
うまく呼吸ができないと、他の器官にも悪影響が及び、不定愁訴を引き起こします。
できるだけいい呼吸をして、身体のめぐりを良くしたいものです。


しかし、現代人は、頭を使う仕事が多く、PC作業を長時間したり、デスクワークの増加で、
長時間、前傾姿勢でいることが少なくありません。
でも、そのような姿勢を持続すると、どうしても顎が出て、背中が丸まってしまいます。
すると、肩甲骨が必要以上に広がり、肩甲骨の間に過度のストレスがかかって凝りを生じ、
呼吸機能が弱くなってしまいます。

肩甲骨の下には、胸郭があり、肋骨によって包まれた肺や心臓が配置されています。
呼吸は、肺だけでするものではなく、そこに配置されている横隔膜や、肋骨や肋間筋や、
その外側にある筋肉を使って行われています。
それらがスムーズに動くと深い呼吸ができて、胸部の深部にある筋肉や骨まで動くと、
他の内臓や神経も刺激して、体全体のめぐりが向上し、免疫力も上がります。

しかし、肩や背中が凝り固まってしまうと、それらがスムーズに動かず、
浅い呼吸しかできず、めぐりも免疫力も低下するという悪循環に陥ってしまいます。

「姿勢が悪いと、病気になる。」というのは、あながちうそではないようです。

また、緊張したり、集中したりすると、ついつい息を吐くことを忘れてしまいます。
いくらたくさん吸っても、吐く息を半分でやめてしまうと、
次の呼吸では新しい空気を半分しか取り込むことしかできません。
息の浅いというのは、こういう場合もあります。

このような呼吸を繰り返していると、古い空気がいつまでも体内に残ってしまうので、
老廃物がいつまで排出されず、体に悪影響を及ぼします。

ですから、作業の途中で気分転換をするように、大きな深呼吸をすることをお勧めします。
息を吐くと、身体中の代謝を高めるだけでなく、筋肉がほぐれるので、
息を吸うと、たくさんの新しい空気を取り込めるだけでなく、血の巡りも良くなりますから、
新しいきれいな血液を脳にたくさん送ることができるので、仕事の効率も上がります。

また、肩甲骨を動かす運動をして、肩や背中の負担を解消することも大切です。

女性は、ブラジャーにも気をつけてください。
ワイヤー入りのものを使っている人が多いかと思いますが、
ワイヤーが乳房の下にある肋骨や深部筋肉を締め付けてしまうので、
胸を広げることができず、呼吸を弱めてしまうので注意が必要です。






2012年10月19日金曜日

食欲の秋です~おいも

秋の空はつるべ落とし。
これは急に日が短くなったっていう意味なんでしょうが、
気温の方も急激に低くなって、朝晩はかなり冷え込みます。

でも、涼しくなったので身体も楽になり、
おまけにおいしいものがたくさん出回るこの時期ですから、
ついついご飯も多めに食べちゃったりします。

特に、栗やイモ類の収穫時期ですから、おいも好きの私としては、うれしい限りです。

おいもはたくさんの食物繊維を持ち、ビタミンCも豊富。
おまけに胃腸を丈夫にして、冷えを改善させると言われている万能野菜。



しかも、おいもの中に含まれているビタミンC は、でんぷんに包まれているため、
火に通しても壊れにくいので、胃腸の働きを助けたり、美肌効果があるとされています。
また、サツマイモにはホルモン様物質が含まれ、肌の老化を遅らせたり、
女性の更年期にもよいとされています。



でもね、ちょっと待って。
摂り過ぎは便秘の原因にもなるのでご注意を。

排便のシステムは、食べ物を食べて胃や腸で消化吸収をして、
不要なものを外に排出するのですが、
ある程度まとまらないと便を出したいという反応が起こりません。
ですから消化のいいものばかり食べているとなかなか腸内に便が溜まらず、
いつまでも腸内に便が残っていることになります。

腸は絶えず便から水分を吸収するので、
長い間腸に溜めておくとどんどん水分がとられて硬い便になってしまいます。
そうすると、出すのも大変になり、ますます便秘の原因を作ってしまうのです。

なぜ食物繊維が排便にいいかというと、便の量を増やすことができるからです。
食物繊維は、人の消化酵素では分解することができません。
ですから、食べた分だけ便として腸に送られてきます。
すると早く腸内で便が溜まり、排便中枢から排便を促すので、
水分が適度に残っている理想的な硬さの便を排出することができます。

しかし、腸の蠕動運動弱い人や、小さな子や高齢者には、
腸に負担がかかりすぎて、排出することができなくなってしまいます。

また、ストレスなどで起こる便秘の人は、ストレスなどの刺激に過敏に腸が反応して、
蠕動運動をうまく調節することができません。
そこへ大量の食物繊維を腸に送ってしまうと、
腸を刺激してしまい蠕動運動が強くなったり弱くなったりして、
便秘や下痢を引き起こしたりします。

また、消化するときに水分をたくさん使ってしまうため、
たくさん食べると、胃酸を増加させてしまうので、
胸やけやガスを溜めてしまうことにもなります。

また、体内の水分がたくさん消耗されますので、
乾燥肌の人や、気管支の弱い人がたくさん食べてしまうと、
身体の乾燥が助長されてしまうので、
かさかさや咳がひどくなってしまうことがあるのでご注意を。

おいしいものを適度に食べる。
それが健康で楽しく過ごす秘訣ってことですね。

2012年10月12日金曜日

食欲の秋です~柿


秋です。秋と言えば食欲の秋、収穫の秋。
おいしい物がたくさん旬を迎え、うれしい季節ですよね。


でも、くまやりすが、越冬のために食物をたくさん食べて身体に栄養を蓄えるように、
人の身体もまた、これから来る冬のために、栄養をたくさん貯め込もうとしています。
ですから、おいしいからと言ってたくさん食べてしまうと、他の季節よりもグッと吸収が増してしまうので
注意してくださいね。

さて、その秋の味覚のうち、最初に取り上げるのは柿です。
丸いのやら、細長いのやら、平べったい物、たくさんの種類が、今お店をにぎわせています。
柿は糖分が砂糖がまだ流通していなかった時代、柿は一番甘いものとされ、人々に好まれていました。
でも、消化に悪いので食べ過ぎるとお腹を壊すとか、聞いたことはありませんか?

柿の特性は「寒性」で、咽を潤す効能がありますので、
顔がいつも赤く熱っぽい高血圧の方や、寝不足やストレスでイライラしやすく熱っぽい人には、お勧めな果物です。
また、アルコールの分解を促すので、二日酔いによいとされています。

しかし、昔の教え通り、とても胃腸を冷やしてしまうので、
冷え症の方は、余計に身体を冷やしてしまうので控えた方がいいでしょう。
また、胃腸の弱い人や高齢者、子どもも控えめに。
食べ過ぎ傾向で、胃がもたれやすい人やむくみやすい人は、
もともと処理しきれない余分な水分が体内に溜まっているので、
甘くて体を冷やす柿を摂ると、余計に取り除きにくくなるのでやめた方がいいです。

最近はドライフルーツも注目されていますが、柿も生と干したものではその効能も違います。
干し柿は、冷やす作用が消え、胃腸を丈夫にしたり、弱った腸の働きを助けます。
また、長引く咳にの人にも有効です。(急性の風邪症状の咳はダメ)


2012年9月28日金曜日

忙しいときこその養生法

女心と秋の空とは、よく言いますが、
本当に目まぐるしい天気に、身体が疲れたと悲鳴を上げてる人が多いようです。

一日のうちで10℃も変化すると、その変化の大きさに、身体がついていけず、
暑さで開きっぱなしになっている毛穴から、冷えや風がはいって身体の中で悪さをして、
大風邪を引いたり、ぎっくり腰になったり。

そうかと思えば、また急に暑くなって、やっとしまった毛穴が今度は熱を放散できずに、
のぼせたような感じになったり。

冷たいものは下に、熱いものは上に上がるのは体内でも一緒で、
普段はそれをおなかの中心で、攪拌するようにエネルギーを回しているのですが、
夏の疲れでその力が弱まると、下半身は冷えが溜まり、動きが低下してしまい、
上半身は熱が上がったままで、大汗をかいたりのぼせたり。

西洋医学では、こういうい不定愁訴の原因をひとまとめに自律神経失調症などと
言ったりするようですが、東洋医学では、身体のSOS 信号だと捉えます。

身体の疲れは、その人の一番弱い部分や一番負担をかけている場所から起こります。
ひとつの不具合は次の不具合を連鎖し、身体全体の不具合を生じさせます。
ですから、身体が発するサインは、小さなものでも聞き流してはいけません。

現代人はこのような異常気象の他にも、社会の不安定、大量の情報に踊らされたり、
環境の多様化で、常に緊張して、とても疲れやすい状況にあります。

力みは、コリを生じ、コリは血やエネルギーの滞りを生みます。
血やエネルギーが滞れば、そこに古いものが溜まり、「腐り」を生みます。
そしてその「腐り」が、身体に悪影響を及ぼすのです。

ですからほんの少しの間でも、ホッとさせる時間を作ることが必要です。
でも、人間は、力を入れることは得意ですが、実は抜くことがとても苦手です。
あまりずっと力を入れていると、脱力する方法がわからなくなるようです。

そんなときは、一度ギュッと身体に力を込めます。
そして、大きく息を吐きながら、一気に力を抜きます。
その状態が、脱力した身体の状態です。
できれば床などにごろりと寝ころんでやるといいでしょう。

そして、お湯に浸したタオルを目に当てて、しばらく何も考えずにボーっとしてみましょう。
目は実はイライラととても関係が深くて、目に入った力を抜くことで、
イライラを抑えることができます。

雑念があると、身体のどこかに力が入ってしまいます。
溜まっている洗い桶の事も、山のような洗濯も、(あ、、それはうちだけですね(笑))
山積みになっている仕事も、5分だけ忘れてただぽかんとしてみてください。

ぽかんとできなかったら、青い空をイメージしましょう。
風が吹いて、白い雲がゆっくりと流れるさまをイメージして、ゆっくり呼吸をしてみます。
そうすることで全身が緩み、滞った血やエネルギーがゆっくりと動き始めるはずです。

秋という季節は、夏の活動期から、冬の休息期へと、身体が変わる準備をする期間です。
ですから、緩んでいた筋肉や皮膚が急にきゅっと締まるので、
ただでさえも身体に力が入りやすくなっています。

自分でも意識して、身体の中の流れを維持できるようにすることが大切です。
ほんの少しの合間でいいですから、試してみてくださいね。
あ、でも、お昼寝とはまた別のものです。

昼寝もおススメではありますが、短時間(20分以内)で。
1時間以上の睡眠は、脳も身体も寝てしまうので、
逆に身体がエネルギーを抑えてしまうため、
起きた時に身体がだるかったり、頭痛が起きやすくなったりしますからね。

2012年9月22日土曜日

葛根湯と痴呆症って、関係あるんですか?

先日、患者さんから「韓流の時代劇を見ていたら、認知症疑いの王様に葛根を内緒で食べさせて
判定させていたんだけど、葛根湯飲むと、認知症が進行するんですか?」と聞かれました。

確かに、そのドラマは見たことがあって、私も「え?」と思った記憶があったんですよね。
自分がよく使っている薬が、認知症を助長するなんて聞いたらびっくりしてしまいますよね。

「いつも飲んでいるから、私も痴呆症になったりしないかしら?」
ご心配はごもっとも。

でも実際、葛根湯にそんな効能(副作用?)があるなんて聞いたことないし、
どこにも書いていない。
どういうことなのかと調べてみると、他にも結構たくさん同じ疑問を持った人がいて笑ってしまいました。
で、そんな人たちの意見などを読みながら、どういうことなのかと鍼灸院で考えてみました。

葛根湯は、身体を温め発汗を促し、体表にとどまっている邪(ここでは風邪ウィルス)を体外に出します。
ですから、悪寒があり、項が硬直するような風邪の引き始めの場合に有効です。

汗を掻くのは予想以上に体力を消耗し、元々体力のない人がたくさん汗を掻くととても疲れてしまいます。
発汗は、心と腎の機能ととても関係が深く、発汗が甚だしいと、心と腎に多大な負担を掛けてしまいます。
心の機能とは、西洋医学で言えば心臓ですが、東洋医学では、血液循環の他に、精神活動(脳の活動)を司っているとされ、また、腎は西洋医学で言うと腎臓で、東洋医学では身体の中の水分の管理をするほかに、生まれながらに持っている気(生体エネルギー)を管理していて、老化と深いかかわりがあります。
痴呆の原因はさまざまで、今ここで限定することはできませんが、痴呆はこのふたつの機能の不足や不具合があると、起こりやすくなると言えます。

ですからそんな状態の人に、葛根湯で発汗を促された場合、この心と腎のエネルギーを消耗してしまうので、確かに認知症を助長してしまうかもしれません。
でも、これはあくまでも一つの可能性です。
ドラマはドラマ性を求めなくてはいけないので、根拠はあっても、それを一部分が誇張して作られるので、誤解が生じてしまうようです。
しかし、症状に合わない薬を飲めば、身体に悪影響を及ぼすというのは変わりありません。

日本では風邪と言えば葛根湯というくらいよく使われますが、どんな風邪でも効くわけではありません。
最初に書いたとおり、悪寒や鼻水、頚肩のこわばりを伴う風邪のひき始めに有効です。
身体を温める効果のある薬ですから、熱風邪には逆効果です。
単に風邪と言っても、人それぞれ症状は様々で、経過によっても変わります。
葛根湯に限らず、万病に効く薬はありません。
安易に薬に頼りすぎないで、その時々の様子に合わせてどんな薬がいいのかよく考えて飲みましょう。


2012年9月14日金曜日

暑くても秋です。


こんにちは。
9月になったというのに、相も変わらず連日容赦ない暑さが続いています。
「暑さ、寒さも彼岸まで」ということわざもあるように、
本来ならどんなに暑くても今週末くらいからはぐっと気温が下がるはずなのですが、
今日も32℃とまだまだ下がるような気配が見られません。

しかし、真上にあった太陽は、少し傾きを見せ、
空の色も、風も、少しずつ真夏とは変わってきました。
朝晩はずいぶん涼しい風が吹いて、夜は過ごしやすくなりましたね。

今年もまだまだ彼岸花は咲きそうにないですが、
それでも周りの景色も徐々に秋の準備を始めています。
出勤途中の栗林では、もうふっくらとしたいがぐり坊やが枝の間から顔を出して、
秋の訪れを教えてくれていました。

さて、景色と同じように人間の身体も、気温とは関係なく秋の準備を始めています。
真夏のような暑さでも、真夏のころとは汗のかき方も、エネルギーの消費の仕方も違います。
真夏と同じように過ごしていると、思わぬ体調不良を起こしますので注意が必要です。

エネルギーを消費して活動を活発にさせる夏から、
秋は、これから来る冬に向けてエネルギーを貯めこむ身体に変わっていきます。
ですから、身体の代謝も自然と抑えられるので、
汗もさらりとした汗からべっとりとした汗に変わります。

これは、身体が貯めようとしているエネルギーからできた水分で、
貯めこむ筈のエネルギーを消費しているということです。
ですから、激しい運動や暑さで汗を大量にかいてしまうと、
エネルギーの貯蓄が不足してしまいます。

また、秋の風は乾燥を運んできますから、さらりとした気持ちのいい風を感じながらも、
知らず知らずのうちに水分を奪われています。
体表の水分は、体温調節のほかにも外気から、身体を守る働きを持っています。

ですから、この時期に暑いからといって肌を露出していると、
体内に秋の風の侵入を簡単に許してしまい、風邪を引きやすくなります。

ただでさえ季節の変わり目は、身体ががらりと変わるので負担のかかる季節なのに、
この異常気象で、更に身体には負担がかかっています。
そして、身体の状況も暑さの性質も変わっていますから、
必要以上にエネルギーを浪費してしまいます。

暑いからといっていつまでも夏と同じ過ごし方をせず、
肌を露出して熱を放散する対処法から、
肌着やタオルを肌に当てたり薄手の長袖などで、外気から体表を守る対処法に変えましょう。

2012年8月31日金曜日

健やかな秋を迎えるために

自然界では、様々な気候変化が起こり、その変化に人も絶えず影響されています。
東洋医学では、その変化を「風」「寒」「暑」「湿」「燥 」「火」の6種類に分類して、
それらが体に侵入しても、打ち勝ち健やかに過ごせるように、
食事も季節によって食材や調理方法を使い分けて、身体の調節を助けます。

例えば、前回お話ししたように、夏は暑さが身体に籠もることを防ぎ、
エネルギーの発散によって消耗した体力を補うような食事にし、
冬は寒さに負けないように、体を温める食べ物を食べます。

それでは、秋と夏の境目の今はどうしたらいいでしょう。

季節の変わり目は、これから来る環境変化に備えるために、
エネルギーを作り出そうと、消化器官(脾)の働きが活発になります。
ですから、ここで消化機能が低下していると、その対応ができず、
体調を崩す原因を作ってしまいます。
夏の間もお腹を弱らせないように、冷飲食を食べ過ぎないようにと、
前回お話したのは、そのためです。

おなかは冷、寒、湿が苦手です。
しかも、湿は冷、寒、熱とくっつきやすく、
一度入り込まれると、しつこく体内にこびりついて、除去するのに骨が折れます。

この時期は台風なども盛んに訪れるので、梅雨ほどでないにしろ湿も増えます。
しかも一番苦手な寒と一緒に増えるので、侵入を許すと大きく体調を崩してしまいがちです。
これがよく言われる「秋の大風邪」です。

大風邪をひかないためには、お腹を冷やさないのはもちろん、
次のようなものを食べると良いとされています。

⑴お腹の機能を促進させる食材。
  身体を温める性質があって、甘味のあるもの。:穀類、芋類、トウモロコシ、栗など
  甘いものは、お腹(脾)のエネルギーを高めるけれど、湿を溜めやすく胃を荒らすので、
  量に気をつけ、酸味と合わせないようにすることはが大切です。

⑵芳香性のある食品
    香りのあるものは、温性で、気の巡りをよくして食欲を誘い、
    湿を取り除く働きがあります。
    ジャスミン茶や、オレンジなどの香りをつけた紅茶などは、
    リラックス効果もあるので、よりオススメです。

⑶湿を流す食品
小豆、ハトムギ、大葉、にんにく、生姜、ねぎ、らっきょ、みかんなど。
利尿作用があり、むくんでいる人には特にオススメです。

まだまだ暑い日が続きそうですが、暦の上ではもう秋です。
夏の疲れが出始めている人も多いでしょう。
疲れを残して移行しないように、
無理をせず、次の季節を踏まえて生活をしましょう。



2012年8月25日土曜日

夏の食養生

毎日本当に暑いですね。
夏の終わりともなると、こう連日暑さが続くと、疲れが出てきて身体もバテ気味。

食欲も落ちてきて、ついサラダや果物に手がいっていしまいますよね。
確かに夏は、汗をかいたり心拍数が多くなり、
心機能が活発に動くので、心(心臓)に負担がかかります。
ですから、身体に籠もる熱を冷まして、心に栄養を補う必要があります。

基本的に、夏が旬の食べ物は大体、夏の暑さを冷ます作用を持っています。
たとえば、トマトやレタス、きゅうりなど、サラダの材料になる野菜や、スイカ、バナナ、メロンなどの熱帯地方の果物は、身体の熱をとり、夏の暑さの不快感を取り除いたり、身体を潤してくれます。
また、ニガウリやきゅうりは、熱を冷ますとともに、それによって生じた毒素を解毒してくれます。
だから、この時期にサラダや果物を欲しくなるのは、生理的に正しいことです。

しかし、今の生活は、冷房が普及し、冷蔵庫で食べ物を冷やすことができるので、
それらをあまりたくさん食べてしまうと、必要以上に身体を冷やしてしまいます。
身体を冷やす食べ物を食べると、消化器はダイレクトに刺激を受けるので、
機能が低下し、エネルギーを効率よく作ることができません。
すると、心に必要なエネルギーを供給できなくなってしまいます。

また、呼吸器は、温度や湿度の変化に敏感で、
外気はもちろんお腹の冷えにも敏感に反応します。

生体エネルギー(気)は、呼吸によって外気から得たエネルギーと、
消化吸収によって得た食物エネルギーと、
親から受け継いだ生まれながらに持つエネルギー(腎気)とを、あわせて作り上げます。

ですから、お腹と呼吸器の不具合でエネルギーが不足してしまうと、
その分生まれながらに持つエネルギーで補填しようとします。
生まれながらのエネルギーを消費することは、身体全体に負担をかけることになりますから、
それが何度も続くと身体全体が消耗して、「夏バテ」を引き起こしてしまいます。
ですから、それを予防しまた、養生するためには、
身体に必要以上の熱を溜めないようにしつつ、お腹と、呼吸器を滋養してあげる必要があります。

日本の夏は、もともと湿気が多いのですが、
最近は特に湿気と暑気が多い亜熱帯的な気候になっていますので、
湿気に弱いお腹と呼吸器は、更に気をつけなければなりません。

胃腸の働きを助ける食べ物は,穀類、肉類,イモ類など。
そして、暑さと湿気を取るのは,そばや、大麦、大根、緑豆です。
食べやすいからといって、身体を冷やす食べ物だけに偏らず、
これらの食材もバランスよく取り入れましょう。

また、東洋医学では、酸味は発汗を抑え、疲労を回復し、
塩味は心の機能を補うといわれています。
夏は汗をたくさんかいて水分と一緒にミネラルやビタミンも失われますので、
それらを補う意味でも、これらを補給することも大切です。

しかし、何よりも必要なのは、休養です。
疲れたらすぐ休んで、その都度コンディションを整えることが、
この厳しい残暑を乗り切る秘訣です。





2012年8月17日金曜日

備えあれば憂いなし・・・かもしれません。

こんにちは。
毎日暑い日が続きます。
皆さん、お腹の具合はいかがですか?
暑い日が続くと、体力も消耗するので、どうしても胃腸の機能が低下しがちです。
ふだん、なんでもないことでも、少し無理をするだけで、すぐお腹を壊してしまいます。
冷たいものも欲しくなりますが、ジュースも果物も・・・と、摂ってしまって、
お腹を冷やさないようにしましょね。

さて、私事ですが、先週夏休みをいただき旅行へ行ってきました。
久しぶりの旅行で、気持ちが浮き浮きしていたところで、階段から足を踏み外して、
口を階段で強打してしまいました。

歯はあまりの衝撃にジンジンするし、唇は歯が当たってバッサリ切れて大出血。
かなり大きく深く切れていて、対応してくれたスタッフの方にも、
「縫ったほうがいいから、病院にいこう。」と言われたのですが、
見知らぬ土地で(しかも、言葉が通じないし)、
歯医者に受診するのも、唇を縫うのはいやだったので、
丁重にお断りして、とにかく傷口を冷やし、圧迫して止血をしました。

場所が柔らかく、動く場所なだけに、内心傷がちゃんとくっつくのか心配でしたが、
氷で冷やしながら、持っていたエレン水(うちの鍼灸院に来ている方はわかると思いますが、あの、石の入った水です)をとにかくかけたり、ティッシュに浸して湿布しながら止血すると、
1時間もしないうちに血が止まり、傷口もふさがってきました。
外傷による炎症も強く出てきそうなので、ハーブのエルダーも飲みました。(抗炎症作用があります)

おかげで、そんなに腫れることもなく、夜にはすっかり傷もふさがり、食事もとることができました。
翌朝、まだ少し腫れましたが、エルダーを飲むとそれも少しずつ引いて、
1週間たった今、もう傷はすっかりきれいになりました。

備えあれば憂いなし。
「持っていて良かった。」と心から思う一件でした。
あ、もちろん、怪我をしないようにすることが一番大切なんですけどね。

私の場合は、自分で何とかできる範囲の怪我でしたが、
自分では対処仕切れないと思う場合は、お医者さんにかかってくださいね。

2012年8月3日金曜日

日本全国、睡眠不足ですが・・・

こんにちは。
毎日うだるような暑さが続きますが、みなさん元気に夏を過ごしていますか?
毎晩オリンピックも、熱い試合が繰り広げられていて、寝不足になっている人も多いでしょう。
かく言う私も、その一人で、反省、反省。

時差があるとはいえ、毎晩、深夜2時3時というのはこたえます。
翌朝、頭がボーっとしたり、肩こりがひどくなったり、胃腸の調子が悪かったり。
肌の張りがなくて、むくんでしまったり・・・なんてこと、ありませんか?

実際、身体がつらくて、応援をやめて睡眠をとったら、翌日の肌の張りのいいこと!
なんとなく2~3歳若返った気分。
睡眠不足の悪影響をつくづく感じました。

人間は本来、昼間活動するようにできていています。
東洋医学の考えでは、昼間は活動できるように血が全身を巡って、
各器官に栄養やエネルギーを運んで潤しています。
しかし、夜になると、休息期になり、血は、肝(肝臓)に戻り、
全身を巡ってエネルギーと交換してきた老廃物や毒素を解毒して浄化し、
新しいエネルギーや栄養を取り込み、翌日また身体を動かすための準備をします。

その間に、津液という体液が、活動して興奮した各器官を鎮めて、
疲労を回復させたり、不具合を調整して、身体のメンテナンスをします。

しかし、夜遅くまで起きていて、こんな風に応援に興奮させてしまうと、
血も津液も、本来の動きをすることができず、
結局翌日、血は、栄養不足のまま全身を巡らなければなりません。
また、メンテナンスをして、リフレッシュするはずの各器官も、
メンテナンス不足のまま翌日の活動をはじめることになります。

またこの夏は、ご存知のように猛暑で、私たちは毎日厳しい暑さに身体を晒しています。
35℃以上で高湿度の酷暑に、何日も耐えているということは、
それだけの長時間、サウナに入っているのと同じことですから、
身体の負担は、相当なものです。

ですから、この時期はなお更、毎晩きちんと睡眠をとって、
しっかりと身体のメンテナンスをしていかないと、
負担がどんどん蓄積され、暑さに耐えていくことができません。
また、秋や冬になるときに、身体がその変化についていけず、
身体を大きく崩してしまう危険性があります。

がんばる選手を応援したいけれど、まずは、自分の身体が大切です。
くれぐれも無理は禁物。
きちんと睡眠をとり、すっきりした身体で夏を乗り切りましょう。

2012年7月27日金曜日

ただいま!

こんにちは。
暑さにフラフラとしてしまいそうですが、皆さんはお元気ですか?
先日、ようやくうちの先生がドイツより帰国しました。
ドイツのほうは、日本よりもとても寒かったようで、冬物を買って着ていたそうです。
時差ボケはないといっていた先生ですが
人間は,移動した時間よりも、移動した距離で疲労を感じるんだそうです。
だから、日本から9000キロもあるベルリンへ、移動をした先生の疲労は相当だと思いますが、
エネルギーのかたまりのような先生だから、そんなものはものともせずに、向こうでもこちらでも、
楽しそうに治療をしています。

先生の元気の素は、おいしい料理?
ドイツは、料理の質実剛健。
見た目以上に、味もいいです。
何だと思います?
実は豚の足です。
そのままゆでただけの、ダイナミックな料理ですが、
深みのある伝統料理です。



肉をたたいて、薄く伸ばしたものをフライにしたもの。

さて、ただいま、お腹冷え冷え警報発令中。
今年も、お腹に来る夏風邪や、咳がひどくなる夏風邪が流行っています。
みなさまの体調はいかがですか?

まずは舌をチェックしましょう。
もし、真っ白い苔が生えていたら、それはお腹冷え冷え警報。

毎日信じられないほどの暑さですが、
クーラーや冷飲食で冷えるのはもちろん、暴飲暴食などでお腹の調子が低下や
、睡眠不足、ストレスでもおなかは冷えます。

なかでも、一番よくあるのは汗による冷えです。
汗の働きは、体温を下げることだと、前回お話しましたが、
汗を掻きっぱなしでいると、汗のある場所の体温を放散しますから、当然お腹も冷えます。


暑いので、シャツやワンピースを一枚だけ着ている人も多いでしょう。
確かにとても涼しいのですが、
風通しのいいシャツの中で、汗がシャツの中に通る風に冷やされて、
お腹や背中を冷やしてしまいます。
ですから、シャツ1枚だけよりも、その下に、汗を吸ってくれる下着を一枚着ることをお勧めします。
でも、暑くてとても着れないという方は、タオルもしくはガーゼでもいいですから、
1枚おなかに入れてください。

はらまきもOKですが、あまり温めすぎると、今度はその中で汗を大量に掻いてしまいますから、
逆にその汗でおなかを冷やしてしまいます。


熱い夏だから冷えとは無関係とは思わず、夏だからこそ、冷え対策をちゃんとしましょうね。

2012年7月21日土曜日

夏風邪大丈夫ですか?

こんにちは。
殺人的な猛暑から、いきなり秋かと思うようなこの涼しさ。
2日のうちに10℃も変動があるなんて、身体がついていけませんよね。
ちまたでは、夏風邪がはやっていて、大人も子どももお熱を出したり、
お腹を壊す人が増えています。

先週、ご他聞に洩れず、私も夏風邪にダウンしました。
急な暑さでクーラーデビューした私、その風にもろに当たって、
うなじから頭にかけて「あれ?痛いなぁ・・・。まずいなぁ。」と思っているうちに、いきなり悪寒。
外は34℃であろうと、熱が38度を超えようと、寒いものは寒い。
悪寒のあるときは、本当に何をしても寒くて。
あの暑さの中、湯たんぽを2つかかえて、羽毛布団をかけておりました。

かなり強引な身体の温め方をしたので、
身体の中に入った冷たい風が一気に身体の外に出ようとして、
手足の指先に集まり抜けていくのがわかりました。
それが抜けると、身体のスイッチが切り替わるように熱さを感じて、
熱が滝のように出ると、その後は熱もすぐに下がりました。


短期間に怒涛のように身体の中を駆け抜けた風邪。
風邪の抜ける様子を、実感して、苦しいながらも、面白いなと思ったりして。
寒いと思うときは、外気や熱に惑わされず、
身体を温めることは大切だなと身をもって体験しました。

あ、でも、本当に強引な養生法なので、体力のない方や、小さなお子さんは気をつけてくださいね。
温めと冷やしの切り替え時期を見誤ると、かえって熱を篭らせてしまい、悪化させてしまいます。
それから、水やイオン水を、しっかり取ることも忘れずに。です。

風邪にはエキナセアが有効ですが、もし抗生剤を飲まれるのなら、控えてください。
また、身体に炎症や熱があるときは、エルダーがとても有効です。
エルダーは、抗炎症作用のあるハーブです。


さて、ドイツに旅立った先生は、
今週、スウェーデンのストックホルムに。
そこから、素敵な写真が届きましたよ。

向こうはとても魚介類がおいしいです。

スウェーデンはとてもいいところでした。


2012年7月13日金曜日

汗をかいたら・・・。

こんにちは。

昨日、うちの先生が、例年通りドイツ出張に旅立ちました。
いつも尊敬してやませんが、いないと余計にその存在の大きさを感じます。
留守番隊のスタッフは、気合を入れて先生の留守中を守っております。
この時期はスタッフにとっても、貴重な時間。
みなそれぞれ、ステップアップするために頑張っておりますので、よろしくお願いします。
来週は、先生のドイツの様子もお伝えできるかと思いますので、お楽しみに。

さて、今年も空梅雨かと思いきや、いきなり九州で集中豪雨。
ずいぶん大きな被害もでました。地方の皆さん大丈夫でしょうか?

今日は更に雲が北上して、本州も今夜から明日にかけて、不安定な天気になりそうです。
昨日の夜、サッカーの練習だったちびは、帰りにもろに振られて、まさに濡れ鼠状態で帰ってきました。
全身から水が滴り落ちて、まるでバケツの水をかぶった状態で、何かのコントの1シーンかと思いました(笑)
あそこまで濡れれば気持ちがいいかもしれません。

この雨で、濡れた方も多いでしょう。
濡れたらすぐに着替えをして、身体が冷えないように気をつけましょうね。

同じように、ムシムシと暑い日が続いて、汗で身体がべたべたになって気持ちが悪いですよね。
汗の最大の働きは、体温を下げることです。

暑さで熱が籠った身体から熱を出すとともに、その汗が気化することによって体表の熱も発散させます。
ですから、汗を掻いたままにしておくと、その部分の熱をどんどん発散させてしまうので、身体を冷やす結果になってしまいます。
おまけに、汗を掻くために汗腺を開いていますから、その穴から、冷えや風邪に容易に身体への侵入を許してしまいます。


よく、冷え症だと言っている方の多くは、汗を掻きやすい体質になっていますから注意が必要です。
また、クーラーなどで身体を冷やさないために、この時期も腹巻きやレッグウォーマーなどをつけている方も多いですが、
それをつけることによって掻いた汗をそのままにしておくと、防御したつもりで逆に冷えの侵入を許してしまいます。
汗をこまめに拭き取り、それができないなら、汗を掻きやすい場所にガーゼやタオルを一枚入れて、汗を吸い取ってもらいましょう。
また、お風呂にはいった後、最後に手足と顔に冷たい水を浴びると、毛穴を引き締めるので、おすすめです。

2012年6月29日金曜日

耳ツボダイエット



梅雨の声を聞いてから、とんと雨が降らなくなって、
今年も空梅雨になりそう。
でも、湿度だけはぐんぐん上がって、気温が上がりきらないので、
身体が冷えやすい環境になっています。

お腹が冷えると、代謝も下がるので、ダイエットをがんばっても体重がなかなか減りません。
おまけに湿気は、冷えたお腹が大好き。
身体の中に湿気も溜まって、むくみやすくなるから更に見た目が太くなったりして・・・。
そんなときは、こんなのはどうですか?

耳ツボ。
良く、耳ツボダイエットという言葉を耳にします。
耳には、身体を調整するつぼが集まっています。
その中で、ダイエットに効果的なツボを選択し、そのつぼを、ピンポイントで刺激することで、
身体を活性化させて、代謝を促してダイエットを助けます。

耳ツボは、やっているところにより、セレクトするツボが違いますが、
うちでセレクトしているつぼは、こんな感じです。

神門:ストレスを軽減する。
胃:胃の働きを正常にする
心肺:全身の気の流れをよくする。
飢点:満腹中枢に働きかける。

あくまでも、耳ツボはダイエットの補助です。
これをつけたからと言って、即やせるわけではありません。
間食が多かったり,夜遅くに食べたりすれば,やっぱり太ります。
でも、実際にやってみて、つけることで、ご飯はおいしいく食べられるけれど、
必要以上の食欲を抑えることができるみたいです。
なんでもそうですが、効果には個人差があって、即効く人もいれば、ゆっくり作用する人もいます。
でも、楽しく健康にダイエットをしていくためにも、
こういうものを利用してみるのもいいかもしれません。

2012年6月22日金曜日

ビールの季節がやってきました

暑い夏がやってきました。
とはいえ、まだまだ梅雨真っただ中。
べたべたとして蒸し暑い日が続き、こんな日はビールが飲みたいですよね。

ビールは11種類のビタミン、17種類のさまざまなミネラルを含み、
「液体のパン」と呼ばれるほど栄養のバランスが良い飲み物です
また、ナイアシンは、抹消の血行の改善、動脈硬化の予防、血圧降下作用などの働きがあり、
ホップの渋さには、抗酸化作用、抗菌作用、下痢止めの効果などもあります。
そして、アルコールの作用によって、
身体の緊張を緩め、ストレスによる食欲不振や不眠を和らげます。

東洋医学でも、食欲を促し消化力を高めるj健胃作用、
身体に籠った余分な熱を納め、暑気あたりを解消する作用や、
身体の余分な水分を排出を助ける利尿作用があるとされています。

これだけ書くと、ビールは健康のためにもどんどん飲んでいいように思いますが、
これはあくまでも、適した環境で、適量を摂取した場合です。

ビールは身体を冷やす作用がありますので、
クーラーが効いた部屋など、冷えた場所で飲むと、更に体を冷やしてしまいます。
冷えは、「腎」と言う機能に負担をかけます。
また、強い利尿作用により、弱くなった「腎」を更に損ねてしまうので、
冷え症の方にはお勧めしません。もし飲む場合は、飲み方に気をつけたほうがいいでしょう。

咳やぜんそくがある場合や、疾病のある方は、その症状を助長し、症状が治まりにくくなります。
また、長期にビールを摂取し続けると、「腎」と「心」に大量の負担をかけ、
「ビール心臓」という心臓の拡張や、変形が見られることがあります。

そしてホップに血圧効果作用があっても、アルコールが気を上昇させることにより、
血圧効果作用が発揮されないうちに、アルコールの悪影響が出る恐れもあります。

また、アルコールを大量に、長期に摂取することは、肝臓にも負担をかけることは、
みなさんもすでに良く知っていますよね。

いくら「百薬の長」「液体のビール」と言われても、
こうやって効能を比較すると、諸刃の剣だということがわかります。
薬にするか、毒にしてしまうか。
どうせ飲むなら、取り方に気をつけて、健康に、楽しく飲んでくださいね。




2012年6月15日金曜日

梅雨のむくみ対策

入梅をすぎたら、一気に本格的な梅雨になりました。
今年はしっかり雨が降る感じですね。
でも例年よりも気温が高くないので、まだじめじめとした不快感はありませんが、
湿度が上がると身体にいろいろな影響を及ぼします。

身体には水があるのは皆さんもご存知でしょう。
身体の機能を助ける「いい水」のことを、「津液(しんえき)」といいます。
この水は、体表や口、鼻、目など、粘膜や皮膚を潤し、
身体の動きによって発生した余分な熱を冷ましたりして、体温調節や精神安定に関与しています。

また、身体の奥を巡って骨や髄を潤し、関節の動きを円滑にしたり、
血液や内臓を潤すなど、大切な働きをします。
しかし、たくさんありすぎると体に悪影響を及ぼします。

「津液」は、食べ物を消化するときや呼吸などで、エネルギーとともに作り出されています。
そして、余分な水は汗やおしっこ、呼吸によって排出されます。
しかし、冷えや疲労で、代謝が低下したり、肩こりなどによって呼吸が浅くなると、
余分な水を排出しきれず体に残ってしまいます。
これが、むくみの原因です。

「津液」は、こうなってしまうと身体の機能を助ける「いい水」から、
体に悪影響を及ぼす「悪い水」になってしまいます。

水は本来冷たいものです。
しかも、重いので停滞しやすいので、停滞した場所を冷やし、機能低下を引き起こし、
重だるさを感じます。
またその場所に居座ることで、そこを流れる気や血の巡りを阻害してしまうので、
痛みや機能低下を誘発してしまいます。

今の時期は、湿度が多いのでどうしても身体に「悪い水」を溜めやすくなっています。
でも、だからといって水を飲まないのは間違いです。
「悪い水」は、身体では不要な水で、使えないものです。
ですから、ちゃんと使える「いい水」を身体に取り入れて、
身体の動きを円滑にする必要があるのです。
飲みすぎや冷えすぎた水分を取り入れるのは、新たな「悪い水」を作る引き金になりますが、
常温以上の適量の水をしっかり取ることをお勧めします。

それでは、この「悪い水」を解消するにはどうしたらいいでしょうか?
それは身体を温めることです。
冷えによって低下した機能を高め、新陳代謝を促して、汗やおしっこで排出させます。
また、身体を動かすと、筋肉の収縮がポンプ作用になり、
停滞しているものを押し流してくれるので、排泄しやすくなります。

また、緑豆もやしや、春雨は、「悪い水」を流して排泄させる作用があるので、
むくみや身体が重い感じがするときは、ぜひお勧めしたい食材です。

2012年6月8日金曜日

梅の季節になりました。

入梅の季節になりました。
今年も患者さんから梅が届きました。
毎年この時期になると、庭の梅ノ木から取れる実を送ってくださるんです。
届いた箱を開けると、初夏の香りがして、すがすがしい気持ちになります。
私はお酒が飲めないので、毎年ジュースや甘露煮にするのですが、
ジュースが出来上がるころには、梅雨が明けているといいなぁ。

梅は、殺菌作用、浄化作用、可逆性作用、解毒作用疲労回復作用など、さまざまな効能があり、昔から薬の代わりとして日本ならずアジアでも、重宝されていました。

しかし、その酸味の強さにそのままでは食用にならないので、さまざまな工夫がなされています。
日本では梅と言えば、梅干しが代表的ですが、
塩分も高く、「梅干し」と聞けばつばが出るほどの味ですから、
苦手な人も多いかもしれませんね。

私の子どものころは、どこの庭にも夏になると梅を干している光景が広がっていました。
今はl、スーパーや通販でも手に入れることができ、
手間のかかる梅干し作りは、ほとんど見ることができなくなりました。
でも、梅干しって、本当はとっても簡単なんですよ。
それで、自分で作ったほうが味も香りもとってもいいんです。

基本の作業は、洗った梅を塩にまぶして、梅の水分が出てくるまで容器に入れて
涼しいところにおいておくだけです。
塩分が気になる人は、塩の量を減らして、その分焼酎を入れたり、
味をまろやかにするために角砂糖を加えたりします。
そして赤紫蘇で色をつけなくてもいいなら、
梅雨が上がって3日晴れた日にざるにあげて干せばできあがりです。


手間はかからないけれど、出来上がるまでには、どうしても時間がかかってしまうので、
敬遠されがちですが、出来上がったときのその醍醐味をぜひ味わって欲しいなと思います。


今はそんな手間をかけなくても、スーパーに行けばなんでも手に入る時代ですが、
あえて手をかけて作ってみると、季節や、日本を感じることができて楽しいものです。
食べ物はストレートに心身に語りかけるので、
梅干しに限らず、季節の食べ物を作って食べることで、
季節を感じ取り、自然とのつながりを感じることはとても大切です。
特に子どもの情操には大切なことだと思います。
便利なファーストフードもいいですが、たまにはスローフードを体験して、
自分が自然の中で生きていることを実感してみてください。



2012年6月1日金曜日

断捨離

6月になりました。
6月は衣替えの季節。
・・・と言っても、最近はもう5月から暑くなるので、それより前に衣替えをしないと、着る服がなくなってしまいます。
例年我が家では、着る服がなくなってドタバタと衣替えを済ませるのですが、
今年は思い立って、天気の良い日を選んで一気に衣替え済ませました。

何を思い立ったかというと、「いらない洋服の処分」です。
いわゆる、最近流行りの「断捨離(だんしゃり)」って奴です。
「断捨離(だんしゃり)」ー
Wikipedia」によると、ヨガの「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」という考え方を応用して、
人生や日常生活に不要なモノを断つ、また捨てることで、モノへの執着から解放され、
身軽で快適な人生を手に入れようという考え・・・だそうです。

断=入ってくる要らない物を断つ
捨=家にずっとある要らない物を捨てる
離=物への執着から離れる

そんなに偉そうなことじゃないんですが、ともかく毎年使うものだけ出す衣替えで、
我が家にはたまりにたまった衣類がごっそりあって、
今年はとうとう衣替えをしようと思っても、しまう場所すらないという、のっぴきならない状態だったのです。

子供の洋服は、毎年サイズが変わるし1年でボロボロになるから、意外と毎年片付けをするんですが、
問題は大人の洋服。一度箪笥に入れてしまうと、着ない洋服は何年も「箪笥の肥やし」となって、居続ける羽目になります。
そんな洋服たちの多いこと多いこと。何年も前のコートや、ワンピース、サイズが変わって着れなくなったスーツ・・・。
「もったいない」と、捨てられずに取っておいた洋服を全て処分したら、何と45ℓのゴミ袋に10袋!
箪笥も衣装ケースもすっきりとして、冬の衣類を、余裕を持ってしまうことができました。

古くなったけど、思い出深いからと捨てられなかった洋服・・・。
だけど、流行りの形は毎年変わるし、色褪せたりしてしまって、実際はもう着ることなんてないんですよね。
それなのに残しておく・・・それはそのままその人の執着心を映し出していると思いました。


執着心があると、なかなか気持ちの切り替えもできず、
いつまでも心にモヤモヤが残っているのは、心にも身体にもいいことではありません。
物を整理することで、心も頭も整理されて,すっきりとした気持ちになったら、前向きに考えることができるようになります。

ゴミの日に、さすがに10袋出すのは恥ずかしくて、家族総出で3か所のゴミ捨て場に分けて捨てました。
捨てたら、気持ちも身体も、なんだかとってもすっきりして気持ちよかったです。
今週は、げた箱。
履けなくなった、ボロボロのサッカーシューズや運動靴。
かかとがすり減って腰痛を起こしそうな皮靴・・・。げた箱を占領していたそれらの靴を捨てる予定。

物を大切にすることは大切だけど、いらないものまで大切にすることではありません。
使うものは大切に使い、いらないものはさっさと処分する。
もしどうしても、もったいないと思うなら、リサイクルショップに売ったり、ボランティア団体に送るという手段もあります。
そういうものを上手に使って、今年の夏は気持ちよく迎えられるといいですね。

2012年5月25日金曜日

低体温と免疫力

金環日食の後、ぐっと冷え込んでいったいどうなっちゃうのかと思いましたが、
何とか予定通り暑くなってきましたね。
気温が高くなると、代謝を助けてくれるので活動しやすくなります。
春夏は活動期。元気に身体を動かして、伸びやかに過ごしましょう。

ところで、平熱て何℃かご存知ですか?
正解はは36.0~37.0℃です。
子どもに至っては36.5~37.5℃が平熱と呼ばれ、それ以下の体温を低体温といいます。

しかし、最近、36.0℃以下の低体温の人がとても多いような気がします。
成人だけでなく子どもの平熱も36.0℃以下で、37.0℃以上だと、
幼稚園や保育園からお迎えの電話が来るそうで、驚いてしまいます。

なぜ、低体温が増えているのでしょう?
低体温になる原因はさまざまです。
冷飲食の過剰摂取、エアコンの普及、運動不足、ストレス・・・でも、一番悪いのは夜ふかしです。

人は活動するとエネルギーを燃焼して熱を発生します。
その熱は、気(生命エネルギー)や血液によって全身に運ばれ体温になります。

東洋医学では、身体の機能に「腎」という機能があります。
いわゆる「腎臓」にあたりますが、西洋医学でいう「腎臓」の働きのほかに生殖、成長に関係して、
先天的な生命エネルギーを貯めておく場所とされています。
このエネルギーは、生まれたときにお母さんのお腹からもらって出てくるエネルギーで、
生命の存続に関わるときに使われる大切なエネルギーです。
これは、後から作り出すことはできず、なくなると死んでしまいます。

また腎は、昼間の活動で興奮した身体を鎮静化させるラジエーター的な役割もします。
そのラジエーターに使われる「水」は、夜寝ているときに「腎」に貯めこまれます。

夜遅くまで起きていると、その興奮を鎮静化させるためにその分「水」を使わなければなりません。
夜貯めるはずの「水」を補給することができず、更に大量消費してしまうため、
結局、ちゃんと活動の興奮を鎮静化させられないまま翌日を迎えてしまうので、
身体をしっかり回復させることができず、疲れが残ってしまいます。

そして、夜の冷たいエネルギーを身体に取り込み、身体を冷やしてしまうので、
身体の機能が低下して,気血のめぐりを悪くしてしまうので、
それを解消するために先天性の生命エネルギーを使わなくてはならず、
「腎」に多大な負担をかけてしまいます。

日没から日の出までは「陰の時間」といって、マイナスの冷たいエネルギーが流れる時間帯です。
とくに、午前0時から急激にそのマイナスのエネルギーが活発になり、
午前3時から5時までがもっとも気温も体温も低くなる時間です。
この時間帯は、身体の機能ももっとも低下する時間帯でもあり、身体の抵抗力も低下します。
ですから、病で伏している人が亡くなるのが一番多い時間帯でもあります。
風邪や喘息、アトピー症状が出やすくなるのを、実感している人も多いでしょう?

この時間に起きていると,その強いマイナスエネルギーを取り込んで、
それが続くと、ずっと体温が低いままになってしまいます。
すると、「腎」にも負担がかかり続け、免疫力は更に低下してしまいます。

実際、西洋医学でも、体温が1℃下がると、免疫力が30%も低下するというデータも出ています。
風邪を引きやすくなったとか、すぐに出来物ができてしまう、疲れやすい・・・などの症状が気になる人は、病院や薬を考える前に,睡眠を考えてみたほうがいいかもしれません。

2012年5月18日金曜日

金環日食と私たち

自然と人間の関係
5月21日の朝から金環日食があるそうで、今巷では話題になっていますね。
1987年に沖縄で見られて以来、25年ぶりの天体ショー。次は、2030年だそうです。

文房具店や、本屋さん、100円ショップなどでも、日食を見るためのグッズが売られていて、
世紀の天体ショーを、自分の目で確認しようとする人も多いでしょう。
うちの兄ちゃんの高校では、全員に観測用の黒いシートが配られたそうです。
でも、かなり早い時間なので、「起きれない・・・。」と諦めていましたが(笑)

詳しい観測方法などは、こちらのHPで紹介されていますから、観測したいと思っている方はぜひのぞいてみてください。
国立天文台(金環日食HPhttp://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/

金環日食は、古代の人は不吉な前兆として、恐れられていました。
それは動物たちも同じことのようで、金環日食の時には、動物もいつもと違う行動をするそうです。
それを観察するために、今年はいくつかの動物園は、この金環日食に合わせて入園時間を早め、
動物の様子と合わせて金環日食を観測できるようになっているそうですよ。
金環日食・・・それは、地球にどんな影響を及ぼすものなのでしょうね。

この天体ショーを予測する技術は古代から研究されていて、暦が作られたことはもう周知の事実でしょう。
天体の動きと、地球上の自然の動きは一体化していて、それはもちろん人間の身体の変化も相関関係にあります。
東洋医学の世界で干支は、古典によると年、月、日、時間の変化を表わし、更にそこに人体の変化を説明をしています。
干支によって、1年、1月、1日を12分割にして、その時間の流れと、体調の変化を調べ、割り振っています。

例えば、寅時(3~5時)は肺、卯時(5~7時)は大腸、辰時(7~9時)胃・・・。
古代の人はどうやってこれを調べたのか考えると、本当に尊敬してしまいますが、
自分の身体を観察していると、確かにそのように動いているのが分かります。

喘息の患者さんは、よく朝方発作を起こします。
風邪をひいて、咳が出る時、咳き込みが激しいのは朝方だったりしませんか?
また、朝お通じが出やすいのは、卯時に大腸が動きやすいからです。

自然と人間の身体は、いつも同じように動いています。
人間も自然の中の一部に過ぎません。
古典では、ちゃんと太陽の動きと月の動き、そして地球の動きを相関させて、その変化を細かく書き記されています。
それを調べるのはなかなか大変ですが、頭で考えずに、金環日食を見ながら、身体がどんなふうに感じているのか、
自分の感覚で感じ取って見ても、楽しいかもしれませんね。

2012年5月11日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(5)~わかめ

毎日毎日、目まぐるしい気候で、天変地異のようです。
せっかく花粉が終わっても、黄砂はまだまだ降り注いでいるし、気圧のアップダウンが激しくて、
アレルギーやら、ホルモンバランスが崩れて、体調不良を訴えている方も多いのでは?
こんなときに無理に動いたりすると、よけいに体力を消耗するので、まずは睡眠を取ることが一番です。
睡眠不足は、環境に合わせて身体を調節する機能が低下するので、
余計にこの激しい変化について行けません。

また、身体の方もようやく活動期に入るスイッチが入ったところです。
今まで貯めていた生命力を外に向けて徐々に活動しようとしてます。
夜更かしをして、夜の冷たいエネルギーを誘いこんだりするのは、
活動しはじめた身体に負担をかけてしまいます。
夜は早めに寝て、昼間の太陽の温かいエネルギーを取りこみましょう。
でも、まだまだ身体は急激な刺激には弱いので、急に活動を始めるのではなく、
身体を少しずつ慣らすように動くのが、春の活動の仕方です。

朝、起きて慌ただしく活動するのではなく、まず、窓を開けて寝ている間に溜まった古い空気を吐き出し、
代わりに新鮮な空気を胸一杯に吸い込みましょう。
新しい空気とともに、温かい昼間のエネルギーも一緒に吸い込むので、活動しやすくなります。
しかしこの時期は紫外線が一年のうちで一番強く、
日中、太陽の光にあたっていると、夏より疲れてしまうことがあります。
そうはいっても、太陽の光を浴びなければ、カルシウムを吸収できません。 
お出かけのときには、過多な陽の光を浴びないように、日傘や、帽子、日焼け止めは忘れずに。
そして、水分補給もこまめにしましょう。

そして、これから来る夏の暑さや、環境の変化にも耐えるためには、身体に抵抗力をつける必要があります。
バランスのとれた適量の食事をとることは、もちろんのことですが、
冬に頑張っていた「腎」(活動期に使うエネルギーを冬の間貯蓄する)を補い、
今の時期、活動期に身体を切り替えるためにしゃかりきになってる「肝」を助けるために、
ぴったりの食材を紹介しますね。

それは「わかめ」です。
旬の時期は少し過ぎてしまいましたが、春が旬の「わかめ」。
黒い食材は、腎を養います。
現代風に言うと、わかめはカルシウムを多く含み、また、カルシウムの吸収を助けるリンも含むので、
日々不足しがちなカルシウムを補うことができます。

また、「ヨウ素(ヨード)」は、欠乏すると精神異常や、皮膚の乾燥、毛髪が傷んで薄くなるなどの症状が出ます。
「わかめ」は、この「ヨウ素」も多く含み、イライラや沈みがちな気分になるのを防ぐことができます。

そして、食物繊維も豊富で、便秘の解消にも役立ち、血圧降下作用のあるカリウムや、食物繊維の「アルギン酸」の働きで、
余分なナトリウムを排せつをしてくれるので、血圧高めの方にも有効です。
(降圧剤を飲んでいる方は、薬によって食べてはいけない食品なので、注意してください。)

みそ汁や酢の物でいただくのがおいしいですね。
韓国では、出産後のお母さんや誕生日に必ず飲む物として、「わかめスープ」があります。

わかめスープ
材料:わかめ、牛肉(できればすね肉)、水、すりおろしにんにく、しょうゆ、ごま油、塩

1、牛肉を一口大に切り鍋で、ニンニクと共に、軽くいためてから水を加え30分くらい煮ます。
 最初は強火で、沸騰したら弱火で。(薄切り肉なら、時短)
2、わかめをたっぷり投入。
3、しょうゆ、ごま油、塩で味を調えて出来上がり。

わかめは少しくたくたになるまで煮るのがいいそうですが
生わかめの場合は、柔らかいので、さっと煮るだけの方がいいでしょう。


また出汁にする食材は、牛肉でなく、アサリなどを使う場合もあります。
これからの時期は、アサリで作るのもおいしいですね。

2012年4月27日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(4)~アサリ

実際の気温はさておき、季節は春から初夏に変わろうとしています。
スーパーに並ぶ食材も、その様相が変わってきています。
そんな中、今回取り上げるのは「アサリ].。
今の時期、旬の食材です。

子どもたちが小さい頃、毎年千葉の浜に潮干狩りに行きました。
砂に穴を開けて、時々口(?)を出しているところを狙って、スコップなどで掘り起こして、
出てきたアサリを拾うのはとても楽しかったことを覚えています。  
偏食家だった、下の子が、アサリを採る楽しさから、アサリを食べられるようになったこともあって、思い出深い食品です。

さてこのアサリの効能はというと・・・。
身肉は、タンパク質、脂肪、カルシウム、リン・鉄分・ヨウ素・ビタミンB族を多く含んでいます。
また、うま味成分の中に入っている、タウリンは肝機能を助け、動脈硬化や高血圧を助けます。
殻は、実はミネラルの宝庫で、漢方薬でも「蛤蜊粉(ゴウリフン)」という名称で、痰切りに使われていたりします。

東洋医学的にみると、アサリは微寒性で、身体の余分な熱をおさめ、痰を鎮める作用があります。
ですから、イライラやストレスの多い人や高血圧の方にはいい食材です。
この時期に起こりやすい、肝の暴走によるめまいや偏頭痛にも効果があります。
また、身体の臓器を潤し補養するので、
疲れすぎて元気の出ない人や、お腹の弱い人、貧血、二日酔い、糖尿病の人によいとされます。
ただ、身肉は、消化が悪いため、胃の悪い人には負担になりやすいので、控え目に取る方がいいでしょう。

アサリのうまみは、殻と身の間にある液体に含まれ、殻はミネラルが豊富です。
ですから、殻ごと調理する汁物や、炒め物が、よりたくさんの栄養を効率よく取ることができます。
特に汁ものは、そのスープに栄養素が溶け出しているので、胃の弱い人にも食べやすいですね。

旬の今の季節は、肉も太り、うま味も増えておいしいアサリ。
効率よくおいしく食べたいものです。

お勧めレシピは、アサリと香草のスパゲティ
香草は、ストレスやイライラを解消してくれますので、アサリと一緒に食べるとより効果的に、肝機能を助けます。

材料
アサリ、にんにく、香草(しそ、セロリ、バジル、パセリなど、お好みのもので)
スパゲティ、塩コショウ

ニンニクを油でいため、そこにアサリを入れる。
口の開いたところで、ゆでたスパゲティを投入して一緒に炒める。
最後に、香草を入れて、さっと火が通ったところで止める。
(セロリを入れる場合は、ニンニクと一緒に炒めます。)

2012年4月13日金曜日

身体に優しいスィートです。



春はスタートの季節。
アレルギー体質のかわいい患者さんから、入園祝いのおすそ分けをいただきました。

おいしそうなケーキでしょう?
食物アレルギーの患者さんなのに、このケーキは食べても大丈夫なんです。
見た目は普通のケーキなんですが、
実は、アレルギー性の高い卵や、乳製品、白砂糖を一切使っていないケーキなんです。

クリームは豆乳で作ったカスタード風クリームや、ホイップクリーム。
伊予間やオレンジで作ったタルトや、グラノーラショコラで作ったチョコレートケーキなど、
お味も外観も、普通のケーキとまったく変わらないんです。

そうはいっても、スポンジやタルト生地には小麦が使われていたり、
ケーキによっては、ナッツ類が入っているので、全ての人に安全だとは言えませんが、
ケーキの材料は全て表示されてるので、アレルギーのないものをチョイスすれば、
彼女のようにいろいろな食物アレルギーを持っていても、スイートを楽しむことができます。

この分野は、ここ何年かの間にいろいろ研究されて、
アレルギーを持っていてもさまざまな食事を楽しむことができるようになりました。
アレルギー以外でも、乳製品や白砂糖類は、おっぱいを詰まらせる原因になりますので、
母乳をあげているお母さんは、これらのものを避けて食事をしている方も多いでしょう。
日々の育児などで、疲れてくると、必要以上に甘いものがほしくなるのに、
食べられずストレスを感じているお母さんにも,こういう店があるとうれしいですよね。

もちろん。
いくら身体に優しいといっても、甘いものは、カロリーが高いものにはちがいありません。
たくさん食べれば、身体に害になります。
お祝い事や、自分へのご褒美など、ちょっとした息抜きに少しだけ・・・で、お願いしたいですけど。


〈チャヤ マクロビオティックス〉


2012年4月6日金曜日

春の風邪

鬼のかく乱・・・と言うか、日ごろの不節制の当然の報いと言うか・・・久しぶりの大風邪をひきました。
何年かぶりに熱を出して、仕事も休むと言う状態。
熱も上がったり下がったりで、かなり体力を消耗してしまいました。
春の嵐に大風邪。しゃれにもなりません。

春の邪は風です。
春の嵐のように、風が暴れて、体調にも影響を及ぼします。

季節が変わって急に温かくなると、身体も緩んで毛穴が開きます。
気温のアップダウンは激しいので、毛穴も開閉がついていけません。
そこに、今回の春の嵐のような風が吹き抜けると、開いた毛穴から風邪(ふうじゃ)が入ってしまい、風邪を引き起こします。
風邪も、一般的なのど鼻の風邪から、めまいや頭痛、ぎっくり腰や肩痛、顔面麻痺など、さまざまな症状を引き起こします。
突然の急性症状は東洋医学上、風邪に分類されます。

この時期は、冬に貯めた毒素をデトックスして、新しく活動をするための身体に変わります。
冬にちゃんと休養を取っていなかったりして、十分なエネルギーを蓄えていなかったりすると、
身体に負担がかかり過ぎて、調節がうまくいかず、逆に調子を崩してしまったりします。
すると、風邪やウイルスを、簡単に侵入を許してしまったり、打ち勝つことができなくなります。

春だからと言って、急に薄着をして肌を露出して風に直接当たってしまうと、
かなりの確率で風邪をひいてしまいますのでご注意を。
週末の東京は桜も満開の予感。
花見に行くときは、襟やスカーフなどで首周りを守ってお出かけしましょう。

今回の風邪で、かなりお世話になったのはハーブ。
いつものエキナセアはもちろん、のど鼻咳にレッドクローバー、身体の炎症を抑えるのに、エルダ―がとてもよく効きました。


エルダーは、抗炎症作用があり,発熱の軽減、扁桃腺、風邪、咳に有効です。
また、花粉症による、鼻粘膜やのどの炎症や、慢性間接リュウマチや坐骨神経痛などにも効果的です。


レッドクローバーは、血液浄化作用、利尿作用,去痰作用、強壮作用、抗痙攣作用があり、皮膚疾患、咳,喘息,むくみに有効です。
また、潰瘍や抗がん剤としても効果があります。
但し、レッドクローバーは、抗血液凝固剤を服用している場合には使えませんので、注意が必要です。


2012年3月30日金曜日

自分の身体を知ろう。

東洋医学では、色と身体はとても関係が深いものです。
身体が示す色から、身体の状態を推測します。

黄色は、身体の中に「熱」がこもっていることを意味します。
たとえば、喉が腫れて痛い時や、足をねん挫した時など、身体の中に炎症がある場合がそれにあたり、
お小水や、鼻水、痰、オリモノなどの排泄物や分泌物、そして舌の上についている苔の色で、
身体の中に熱があるかどうかがわかります。

赤は、「熱」の勢いが強い時です。
高熱による顔の紅潮や、出血などがそれにあたります。
また、身体に水分が不足している時にも、舌や顔色に赤みが現れますが、この場合はくすんだ感じの赤です。

白は、冷えや湿気によるものが多く、活動に必要な「熱」が不足している時の色です。
そのほかにも、「気=エネルギー」や「血」が不足している場合も現れます。
貧血や、虚弱体質の人などの顔は青白いですよね。
ぬける様に白い肌は羨望の的ですが、実はエネルギー不足で冷え症だったり、風邪をひきやすかったりします。

紫や暗紅色は、「血」の流れが悪く、滞りやすくなっている時に現れます。
一番わかりやすいのは、ケガをした時に現れる内出血ですね。
唇の色や歯茎、舌の色、生理のときの経血や、静脈の色を見て判断します。
この色は、「気」や「血」の停滞を表わし、身体の機能がうまく回っていないことを示します。
「流れる水は腐らない」と言われるように、身体の中も、気血がうまく巡っていれば健康でいられますが、
停滞すれば、悪いものにかわり、悪さを始め病気の元にもなりかねません。

また、黄色は「脾(おなか)」、赤は「心(循環器)」、白は「肺」、黒は「腎(腎臓)」、
青は「肝(肝臓)」と、関連があります。
例えば、胃腸の悪い人は、顔や身体が黄色っぽかったり、喘息や風邪をひきやすい人の顔色は白っぽいです。
寝不足や疲労が蓄積すると、元気を貯めている「腎」が疲れて目に黒くクマができます。
「肝」は、精神状態ととても関係の深く、ストレスが多くイライラしている人は、
こめかみや目の周りが青っぽくなります。

基本を覚えておくと、今の自分の身体の状態を知る手掛かりになります。
神経質に見る必要はありませんが、自分に関心を持つことは大切だと思います。
顔を洗った時や、トイレに行った時に、ちょっとチェックをしてみてください。
健康管理を自分でするヒントになります。

2012年3月23日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(3)~春キャベツ

ようやく梅や菜の花が咲いて、急に色めき立ちはじめました。
風邪はまだまだ冷たいけれど、日差しが春の到来を伝えてくれます。
暑いコートを脱いでクリーニングに出したいところですが、まだ花冷えになると嫌なので迷ってしまいます。
早くちゃんと春が来ないかなぁ。

さて、春のキーワードは「お腹」。
お腹にとてもいい春野菜は、「キャベツ」です。
今日はそのキャベツについて、お話ししますね。
キャベツは、五臓六腑の機能を調節する働きがあります。
特に消化を促し、気を補う作用があるため、気=エネルギーの足りない人や、
ストレスなどで気持ちを抑え込んだりして、めぐりの悪い人にいい野菜です。
また、毛細血管の循環障害を改善することから、高血圧や、イライラしやすい人にも効果があります。                                                                                                     
栄養学的には、胃腸の粘膜の再生を助けるビタミンUが大量に含まれ、
胃炎や胃・十二指腸潰瘍などの予防治療に役立ちます。
また、血液の凝固させる物質の生成を助け、骨粗鬆症予防に効果のあるビタミンKや、
血管壁を丈夫にするビタミンCも豊富です。

ビタミン類は熱に弱いため、生で食べるか、短い過熱がお勧めです。
しかし、生でたくさん食べると、お腹が冷えて胃が重くなるので、胃腸症状のある人は、温めて食べる方がいいでしょう。

胃腸の粘膜によいビタミンUは、水に溶け出しやすいので、スープとして飲むのもお勧めです。
また、油でさっと炒めると、ビタミンKがよく溶出され、
さらに干しシイタケなどのビタミンD が豊富な食材と一緒に料理するとカルシウムの吸収を促すので、
骨粗鬆症の予防にもなります。

お勧めレシピですが、こんなのはどうでしょうか?



春キャベツとベーコンのスープ

材料:春キャベツ、にんじん、ベーコン、コンソメ(もしくは鶏がらスープ)
サラダオイル、塩、こしょう
1、油でベーコンを炒めた後、千切りしたニンジン、一口大に切ったキャベツをさっと炒める。
2、1にスープを注ぎ(もしくは湯を入れてコンソメを投入)、塩コショウで味を調え、ひと煮立ちしたら、火を止める。

ベーコン(豚肉)は、身体を潤し、回復させる力があります。
そして、「精神のビタミン」と呼ばれるビタミンB1が多く含まれ、イライラしたり、怒りっぽくなるのを防ぎます。
また、にんじんは、胃腸の働きを高め、気のめぐりを助けます。
そして、βカロチンが多く含まれ、肝と関わりの深い「目」を養い、抗酸化作用、老化防止作用もあります。
これらの食材はどれも油ととても相性がよく、油でいためることで栄養素が溶出されるので、
簡単なレシピですが、栄養素を効率よく摂取することができます。