2012年3月30日金曜日

自分の身体を知ろう。

東洋医学では、色と身体はとても関係が深いものです。
身体が示す色から、身体の状態を推測します。

黄色は、身体の中に「熱」がこもっていることを意味します。
たとえば、喉が腫れて痛い時や、足をねん挫した時など、身体の中に炎症がある場合がそれにあたり、
お小水や、鼻水、痰、オリモノなどの排泄物や分泌物、そして舌の上についている苔の色で、
身体の中に熱があるかどうかがわかります。

赤は、「熱」の勢いが強い時です。
高熱による顔の紅潮や、出血などがそれにあたります。
また、身体に水分が不足している時にも、舌や顔色に赤みが現れますが、この場合はくすんだ感じの赤です。

白は、冷えや湿気によるものが多く、活動に必要な「熱」が不足している時の色です。
そのほかにも、「気=エネルギー」や「血」が不足している場合も現れます。
貧血や、虚弱体質の人などの顔は青白いですよね。
ぬける様に白い肌は羨望の的ですが、実はエネルギー不足で冷え症だったり、風邪をひきやすかったりします。

紫や暗紅色は、「血」の流れが悪く、滞りやすくなっている時に現れます。
一番わかりやすいのは、ケガをした時に現れる内出血ですね。
唇の色や歯茎、舌の色、生理のときの経血や、静脈の色を見て判断します。
この色は、「気」や「血」の停滞を表わし、身体の機能がうまく回っていないことを示します。
「流れる水は腐らない」と言われるように、身体の中も、気血がうまく巡っていれば健康でいられますが、
停滞すれば、悪いものにかわり、悪さを始め病気の元にもなりかねません。

また、黄色は「脾(おなか)」、赤は「心(循環器)」、白は「肺」、黒は「腎(腎臓)」、
青は「肝(肝臓)」と、関連があります。
例えば、胃腸の悪い人は、顔や身体が黄色っぽかったり、喘息や風邪をひきやすい人の顔色は白っぽいです。
寝不足や疲労が蓄積すると、元気を貯めている「腎」が疲れて目に黒くクマができます。
「肝」は、精神状態ととても関係の深く、ストレスが多くイライラしている人は、
こめかみや目の周りが青っぽくなります。

基本を覚えておくと、今の自分の身体の状態を知る手掛かりになります。
神経質に見る必要はありませんが、自分に関心を持つことは大切だと思います。
顔を洗った時や、トイレに行った時に、ちょっとチェックをしてみてください。
健康管理を自分でするヒントになります。

2012年3月23日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(3)~春キャベツ

ようやく梅や菜の花が咲いて、急に色めき立ちはじめました。
風邪はまだまだ冷たいけれど、日差しが春の到来を伝えてくれます。
暑いコートを脱いでクリーニングに出したいところですが、まだ花冷えになると嫌なので迷ってしまいます。
早くちゃんと春が来ないかなぁ。

さて、春のキーワードは「お腹」。
お腹にとてもいい春野菜は、「キャベツ」です。
今日はそのキャベツについて、お話ししますね。
キャベツは、五臓六腑の機能を調節する働きがあります。
特に消化を促し、気を補う作用があるため、気=エネルギーの足りない人や、
ストレスなどで気持ちを抑え込んだりして、めぐりの悪い人にいい野菜です。
また、毛細血管の循環障害を改善することから、高血圧や、イライラしやすい人にも効果があります。                                                                                                     
栄養学的には、胃腸の粘膜の再生を助けるビタミンUが大量に含まれ、
胃炎や胃・十二指腸潰瘍などの予防治療に役立ちます。
また、血液の凝固させる物質の生成を助け、骨粗鬆症予防に効果のあるビタミンKや、
血管壁を丈夫にするビタミンCも豊富です。

ビタミン類は熱に弱いため、生で食べるか、短い過熱がお勧めです。
しかし、生でたくさん食べると、お腹が冷えて胃が重くなるので、胃腸症状のある人は、温めて食べる方がいいでしょう。

胃腸の粘膜によいビタミンUは、水に溶け出しやすいので、スープとして飲むのもお勧めです。
また、油でさっと炒めると、ビタミンKがよく溶出され、
さらに干しシイタケなどのビタミンD が豊富な食材と一緒に料理するとカルシウムの吸収を促すので、
骨粗鬆症の予防にもなります。

お勧めレシピですが、こんなのはどうでしょうか?



春キャベツとベーコンのスープ

材料:春キャベツ、にんじん、ベーコン、コンソメ(もしくは鶏がらスープ)
サラダオイル、塩、こしょう
1、油でベーコンを炒めた後、千切りしたニンジン、一口大に切ったキャベツをさっと炒める。
2、1にスープを注ぎ(もしくは湯を入れてコンソメを投入)、塩コショウで味を調え、ひと煮立ちしたら、火を止める。

ベーコン(豚肉)は、身体を潤し、回復させる力があります。
そして、「精神のビタミン」と呼ばれるビタミンB1が多く含まれ、イライラしたり、怒りっぽくなるのを防ぎます。
また、にんじんは、胃腸の働きを高め、気のめぐりを助けます。
そして、βカロチンが多く含まれ、肝と関わりの深い「目」を養い、抗酸化作用、老化防止作用もあります。
これらの食材はどれも油ととても相性がよく、油でいためることで栄養素が溶出されるので、
簡単なレシピですが、栄養素を効率よく摂取することができます。

2012年3月16日金曜日

ストレスに負けないからだを作る(2)~春のアレルギー

昨日はとても強い風が吹いていました。
気温も温かくなってきたし、「春の嵐」とでもいうのでしょうか。
久しぶりの自転車は、行きの追い風はとても気持ちよかったけれど、
帰りの向かい風は「ビル風」というのもあって、もろに顔面に受けたら息もできないほどでした。
こいでもこいでも、自転車は前に進まなくて、ビル風って本当にすごい威力です。
高層ビルの立ち並ぶ都心は、もっとすごいんだろうなぁ。

春は風。
そよそよとした春風ならばうれしいけれど、春一番、春の嵐・・・
春は案外強風が吹き荒れます。
季節の風が、北から南に変わるせいもあるのでしょう。

東洋医学でも、春の邪(悪さをする外部の刺激)は「風」です。
おそらくこの季節の流れを見て、昔の人も春は風だと感じたのでしょう。
実際に、春は体調を崩す人も多いです。

そして、春にムクムクと動き出す内臓は、「肝」です。
西洋医学でいうところの肝臓ですね。

春はリスや熊が冬眠から目覚めるように,人間の身体も活動期に入ります。
冬の間、エネルギーを浪費しないように、
固めていた身体を緩ませて、貯めこんでいたエネルギーを活性化させます。
その際に、一緒に溜めこんでいた老廃物や毒素をデトックスさせて、
身体に新鮮な気血を分配します。

冬の間にやってしまった不摂生や、暴飲暴食などがかさんでいると、
肝は過度の稼動を強いられてしまうので,刺激に対して過敏になっていしまいます。
仕事の山を前にして、気分がカリカリして、些細なことで怒ってしまう人間とよく似ていますね。
これがいわゆるアレルギー反応です。

これらの反応を抑えて、快適に春を過ごすにはどうしたらいいか。
それは、やはりキーワードは「お腹」です。

肝という機能と、お腹=脾の機能は、反比例の関係にあって、
どちらかの活動が亢進すると、もう一方の昨日は抑制されます。
ですからこの時期に食べ過ぎたり冷やしたりして脾の機能を傷つけてしまうと、
他の季節より更に肝の機能が暴れだしてしまいます。

ですから、この春は、おいしいものがたくさん出回りますが、
腹7分目くらいに抑えお腹を冷やさないようにして脾の機能を守りましょう。

そして、肝はイライラなどの精神的なストレスにとても敏感に反応するので、
外出や好きなことで、気分転換を図ったりして、楽しい気分で過ごしましょう。

2012年3月9日金曜日

素敵な贈り物



こんにちは。
三寒四温で、めまぐるしく気温が変わっていますが、皆さんお加減はいかがですか?
それでも少しずつ、温かくなってくると、心も身体も緩んでくるような気がします。
それとともに、スギ花粉の声も聞こえてきてしまいますが、
それでも春の気配を感じられるのはうれしいですね。

この間、かわいい患者さんから,素敵なプレゼントをいただきました。
あまりに素敵なのでご紹介しますね。

クッキーの指輪です。
宝石箱(も、手作りなんですよ!)の中に入った、6つの指輪。
スタッフ一人に1個ずつくださいました。
本当に指に入るサイズで,宝石も飾りもちゃんと本物みたい。
かわいすぎて食べるのがもったいなかったです。

ママと一緒にこんなのを作るなんて,すごく楽しいだろうなぁ。
うれしくて楽しくて、おいしい時間、いいなぁ。

こちらはママと妹ちゃんの合作なんですが、
実はこれと一緒に、お兄ちゃんとパパの合作もいただきました。
それがこれです。



じゃ~ん。これが3作目の絵本。
とてもシュールな世界が描かれていて、素敵な作品に仕上がっています。
治療院でもとても好評で、みんな楽しく読ませていただいています。

親子でいっしょに「作品」を作る。
それはとても幸せで、きらきらした時間ですね。
私もちょっと、子どもたちの何か作りたくなりました。

春を感じるとともに、そんなふわふわした時間もおすそ分けしてもらって,
みんなで幸せな気分になりました。

ありがとうございました。
また、幸せのおすそわけ、よろしくお願いします。




2012年3月2日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(1)

さまざまなストレスに打ち勝つ強い身体を作るにはどうすればいいでしょうか。
身体には、自分を守るためのシステムが備わっています。
ですから、生命力を高めることで、その抵抗力もあげることができます。


お腹は、食べ物や飲み物から「気」と言うエネルギーを作り出して、
全身を栄養する役目があると、前にお話ししました。
身体を元気に動かすためには、お腹を健やかにして、たくさんのエネルギーを作り出すことが必要です。
お腹が健やかでないと、生命力を上げることはできません。

また、「身体(月)の要」と書く「腰」は、表と裏の関係で、腰を支えているのはお腹です。
ですから、お腹に力が入らなければ、腰に負担がかかり姿勢を維持することが難しくなり、腰痛が起こります。
身体の本当の「要」はおなかと言えます。

一番重要なのは、お腹を冷やさないこと。
これは、前にも再三お話ししました。
お腹は温度に敏感で、冷えるとその機能が低下してしまいます。
これからピークを迎える「花粉症」などのアレルギー症状は、お腹の冷えで起こります。
言い換えれば、いまお腹を冷やさないようにすると、花粉症を出にくくします。

それからお腹で作られたエネルギーを身体の隅々まで巡らせるのは、肺の役目です。
呼吸をすることで、エネルギーの元となるきれいな空気を身体にとりいれると同時に、
身体中にエネルギーを運び、代わりに身体中に溜まった老廃物をを集めて外に吐き出して、
身体の中の「換気」を行っています。

大きな呼吸をすることで、身体の新陳代謝が促がされて、活性化されて、免疫能力が高まります。
しかし、仕事で同じ姿勢で長時間いたり、ストレス荷重などで、姿勢が乱れると、
負担のかかっている肩や首、背中が固まってしまう人が大半です。
この辺りが固まってしまうと、どうしても呼吸運動が狭まってしまい、
呼吸が浅くなり、「換気」がうまくできなくなってしまいます。

また、深く息を吐き出さないと、たくさんの新しい空気を身体にとりいれることはできません。
しかし、緊張したり、仕事に集中すると、身体を固めて、息をちゃんと深く吐き出す前に止めてしまいます。
吐き出す量が少なければ、吸い込める量も少なくなり、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。

まず、背筋を伸ばして、顎を引き正しい姿勢にして、
吐き出すことに意識を置いて、呼吸をなるべく深くしましょう。
まず吸うのではなく、息を吐き出せるところまで吐き出します。
そうすれば、自然とたくさんの空気を吸うことができます。
すると、自然と肩や背中の力が抜けて、肩コリも、軽減することができます。

正しい姿勢が分からない人は、膝を立てて仰向けに寝てみましょう。
背中と腰がちゃんと床にくっつくようにします。
この姿勢を崩さないように、膝を伸ばします。
この姿勢で胸を広げるようなイメージで、深い呼吸を10回してみましょう。

どうしても腰や肩が浮いてしまう(腰や肩と床の間に隙間ができてしまう)人は、姿勢が乱れている人です。
まずは寝る前だけでも、自分の姿勢を矯正させて、正しい姿勢を身体に覚え込ませましょう。
たったそれだけでも、毎日続けているとちゃんと身体が覚えて
、立っていても正しい姿勢になることができます。