2014年9月19日金曜日

もう秋だから

すっかり秋めいた陽気になってきました
太陽もずいぶん穏やかな光になり、曼珠沙華がゆらゆらと風に揺れています。
今年は夏が早く終わったので(実はこれが本来の時期)、
ここのところ、時期が遅かった曼珠沙華も、ちゃんとお彼岸に咲いていて、
巾着田の曼珠沙華公園も、今満開だそうです。


誰が知らせることもなくても、秋が来ればちゃんと花を咲かせる曼珠沙華。
そんなすがたを見ると、自然はすごいなと思います。


まだ暦の上では9月。ここ最近の傾向では、この時期はまだ夏で、
去年などは30℃超えで、真夏日が続いていました。
私たちは、その記憶がどこかにあるので、
「本当はまだ暑いから」とか、「また暑くなるんじゃないか」とか、
などと考えて、いつまでも夏と同じようなことをしがちです。


多少肌寒くても、半袖を着たり、薄着でいて、
くしゃみや鼻水が止まらない人も多いのではないでしょうか?
ここのところ、鼻と咳の風邪がとても流行っていますが、
患者さんのおなかを触ると、とても冷たい人が多くて驚きます。
今年の夏は短かったけれど、暑くて湿気が多いムシムシと過ごしにくかったですから、
冷たいものをたくさん食べたり、クーラーが効いた部屋にずっといた人も多いでしょう。


夏の間にとった冷えが身体に残っているので、
おなかの機能を阻害して、エネルギーの巡りを悪くするので、
いろいろと身体によくない症状を引き起こします。


外気と矢面に立っている肺(呼吸器系)は、その影響を一番最初に受けてしまいます。
肺が傷ついてしまうと、肺と関係が深い皮膚も影響を受けて刺激に過敏になり、
毛穴の開閉がうまくいかなくて、風邪をひきやすくなったり、
逆に身体に入り込んだ冷えや熱を発散できずに、自律神経がくるってしまったり、
皮膚に炎症を起こして、アトピー症状になったりします。


去年が暑くても、暦の上でも陽気も、今はもう秋です。
少し残念だけど、夏はおしまい。
肌寒いと思ったら、がまんせずに一枚着るなどして、
身体を冷気から身を守りましょう。
とくに、この時期の冷たい風が直接肌を触ると、
直接肺を刺激して咳や鼻水、くしゃみがでてしまうので、
肌の露出を避けましょう。


また、お風呂に入った後、最後に手足と顔に冷水をかけると
自律神経を鍛えることができます。
風邪をひきやすい人や、アレルギー体質の人は、
まだ寒くない今のうちから習慣づけしておくと、
外からの刺激に過敏になりにくい体質を作ることができるので、お勧めです。


今朝は冷えたので、治療院では今年初めての「湯たんぽ」をベッドに置きました。
患者さんはみなさん「え?もう?」と驚かれていましたが、
実際衣類を脱いでベッドに入ると、皆さん気持よくて眠ってしまわれました(笑)
身体は、温かさをもう欲しがっているんですね。


頭で感じている季節は、過去の記憶で、実際とは違うことが多いものです。
頭で感じるよりも、肌で感じた季節を大切にしてください。



2014年9月5日金曜日

夏の疲れと老化

毎日めまぐるしく天気が変わっています。
狭い地域でも、場所ごとに天気が違ったり、時間ごとにコロコロと変わったりして、
天気予報をする人も予測がたいへんでしょうね。


夏から秋に向かってめまぐるしく季節が変わろうとしているのでしょう。
変化の大きな時期は、身体がそれについていくのも大変です。
身体のどこかに疲れを残しておくと、この大きな変化についていくことができず、
不調をきたしてしまいます。
でもこれ、実は老化の一種だったりします。


日焼けして肌が乾燥していたり、髪の毛がパサパサしてきたとかありませんか?
ちょっと暑いだけなのに、いつもより汗が多く出る。
立った瞬間に立ちくらみがあった。
眠くて眠くて仕方がない。食後は特にひどいとか、
風邪ではないのに、よく咳が出る。息切れしやすい。
目が見えにくい。筋肉が攣れやすい。
なにかあるとすぐに風邪をひいてしまう。


前はなかったのに、最近そんな症状を感じることがあるという人は要注意。
そのままにしておくと老化を一気に進めてしまいます。


老化とひとくちにいいますが、
老化というのは年齢の高い人がなるものとは限りません。
年齢には暦年齢(実年齢)と、生理的年齢というのがあり、
生理的年齢というのは、臓器の機能の低下や構造の変化などによって計算されます。
ですから、若くても、身体が疲れやすく機能が低下していれば、
生理的年齢はぐんと高くなるわけです。
ですから疲れ=老化といっても過言ではありませんね。


とにかく、今日の疲労を明日に持ち越さないこと。
これが大切です。


それにはまず、睡眠をしっかりとること。


人の身体は、夜は休息期、昼が活動期だとプログラミングされています。
活動期には活発に動けるように、脳や筋肉に多くのエネルギーや血が配分されます。
夜、血は肝にもどり、血をリフレッシュさせて次の日の活動の準備をし、
また、その日に消耗した身体を修復するために配分されます。


特に胃は、胃壁の修復を睡眠時だけします。
ですから胃が悪い人は、しっかり睡眠をとることが大切です。


夜、睡眠がしっかりとれないと、その工程がしっかりなされず、
十分なエネルギーを得られることができないので、
翌日の活動に支障が出てきてしまいます。


また、夏は腎という機能が消耗しやすい時期です。
腎は水分代謝を行い、生命維持に必要なエネルギーをためておく場所なのですが、
夏、活発な活動と共に汗をたくさんかくと、腎はかなり消耗してしまいます。
ここは、老化に一番密接に関係する場所なので、消耗したままにしておくと、
老化が一気に加速します。


腎の疲れは、耳や腰によくあらわれ、また、骨と関係が深いので、
虫歯でないのに歯痛が出たりすることがあります。
ですから、これらの症状が出る人は、かなりお疲れなので、
しっかりした休養をお勧めします。


腎の消耗には、横になって休むことが一番です。
食後や、疲れたと感じた時に、10分でもいいですから、
横になって休むと、かなり効果的です。


また、寝ているのに、いつでも眠いというのは、
おなかの機能が低下していて、
いつもより余分に血やエネルギーが必要なので、
脳や筋肉にまわす血やエネルギーをそちらにまわしているからです。
ですから、まず、おなかを養い、機能を高める必要があります。
おなかを養うには温めるのが一番。
おなかを温める方法は前々回の記事を参照してくださいね。


今年の夏は、去年よりも暑い日は少なかったけれど、
湿度があって厳しい夏でした。
誰もが身体に疲れを感じる時期です。
睡眠をちゃんととり、無理をしないで、
消耗した身体をしっかり回復させて、元気に過ごしましょう。
それが老化を予防する一番の秘訣です。